【プール】富山県「とびUO!プール(魚津市室内温水プール)」

富山県魚津市に開業した室内温水プール「とびUO!プール(魚津市室内温水プール)」。

最大の特徴は、頭上いっぱいに広がる国内最大級のCLT(直交集成板)架構です。

延床面積1,822.38㎡のプール棟の屋根を、むくり(上に反った曲線)を描く全19本の木梁が覆います。

この梁は、ヒノキのCLTと鋼材を組み合わせて新たに開発した「CLT・鋼材合成梁」で、支持スパン25.2m・全長37mという大空間を、積雪1.5mの豪雪に耐えながら無柱で飛ばしています。

高温多湿で塩素にさらされるプール環境という、木造にとって最も過酷な条件下でCLTをあらわし(現し)で見せた点で、非住宅木造・木質化の可能性を大きく押し広げた事例です。

使用CLT量は504㎥。

学校の水泳授業も受け入れる地域のスポーツ拠点として、木のあたたかさと大架構のダイナミズムを両立させています。

とびUO!プールのコンセプト|CLTが泳ぐ大空間

とびUO!プールのコンセプト|CLTが泳ぐ大空間
  • 水面の上に「木の波」が広がる、水と木が呼応する室内プール空間を志向
  • CLTを構造・意匠の主役に据え、無柱の大空間で開放感と一体感を実現
  • 学校水泳から市民利用まで支える、地域に開かれたスポーツ・健康拠点
  • プールという過酷環境で木をあらわしで使い、非住宅木造の到達点を提示

とびUO!プールが目指した「水と木」の建築

  • むくり形状のCLT梁が連続し、水面に呼応する波のような天井を形成
  • 鉄やコンクリートに頼りがちなプール建築を、木質空間へと転換
  • あらわしのヒノキCLTが、塩素臭の空間に木の香りと視覚的な温かみを付与
  • 大架構の迫力と、水泳者を包み込むヒューマンスケールを両立

とびUO!プールが担う地域スポーツ拠点

  • 25mプール・小プール・ウォーキングコースを備えた通年型の温水プール
  • 市内小中学校の水泳授業を受け入れ、教育インフラとして機能
  • 隣接する「ありそドーム」と連携し、魚津のスポーツゾーンを形成

とびUO!プールが示す非住宅木造の可能性

  • スポーツ施設という中大規模非住宅の木造化・木質化の先進モデル
  • CLTを主構造に用い、公共建築の木造率向上に寄与する事例
  • 木材利用促進の潮流の中で、地域の顔となる木の公共施設を実現

とびUO!プールの構造・木質化のポイント

とびUO!プールの構造・木質化のポイント
  • 構造はS造(鉄骨造)にCLTを組み合わせたハイブリッド構造(構造設計ルート3)
  • 全19本の「CLT・鋼材合成梁」で、支持スパン25.2m・全長37mを無柱化
  • 準耐火構造(45分)で、あらわしのCLT大架構と防耐火性能を両立
  • 豪雪地の積雪1.5m、大空間の要求を満たしつつ木の意匠を最大化

とびUO!プールの国内最大級CLT架構

  • むくりを描く全19本の木梁が屋根を形づくる、国内最大級のCLT架構
  • CLTパネルは幅1,554mm×長さ10,352.8mm×厚さ210mmの大判を使用
  • 使用CLT量は504㎥にのぼり、屋根架構全体を木で構成
  • 見上げるとCLTの木肌が連続し、体育館とは異なる大空間の迫力を演出

とびUO!プールのCLT×鉄骨ハイブリッド梁

  • CLTと鋼材を一体化した、新開発の合成梁で大スパンを実現
  • 鋼材が引張・曲げを負担し、CLTが圧縮とあらわしの意匠を担う役割分担
  • 最大梁成は約1.6mに抑えつつ、25mクラスのスパンを飛ばす合理性
  • 木と鋼のハイブリッドで、木造単体では難しい大架構と経済性を両立

とびUO!プールのヒノキCLTと耐久・防塩素対策

  • 梁のCLTには耐久性の高いヒノキを採用し、あらわしで美しく見せる
  • 高湿・塩素環境に備え、クリヤー系の木材保護塗装で表面を保護
  • 水面上の木部を守り、メンテナンス性と長寿命化に配慮した設計
  • プール特有の結露・湿気に対応し、木造プールの耐久性の指針を提示

とびUO!プールの積雪1.5mに耐える屋根

  • 富山の豪雪条件(積雪1.5m)を前提に大屋根の架構を設計
  • むくり形状が構造的に有利に働き、大スパンと積雪荷重を処理
  • 全長37mの大屋根を、CLT・鋼材合成梁の反復で軽快に構成
  • 豪雪地における中大規模木造屋根の、実践的なモデルケース

とびUO!プールのギャラリー

とびUO!プール CLT 外観
とびUO!プール CLT ディテール
とびUO!プール CLT 開口部
とびUO!プール CLT 外観
とびUO!プール CLT ファサード
とびUO!プール CLT ファサード
とびUO!プール CLT 外観
とびUO!プール CLT 外観
とびUO!プール CLT 外観
とびUO!プール CLT 外観
とびUO!プール CLT 外観
とびUO!プール CLT 外観
とびUO!プール CLT 外観
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著者

一級建築士。群馬県出身。芝浦工業大学卒業後、設計事務所・工務店・木構造材メーカー勤務を経て、2015年にハウス・ベース株式会社を起業。事業内容:住宅・建築関連の業務支援。特に非住宅用途の木造化・木質化支援(広報支援・設計支援・実務支援)に注力。木造非住宅オウンドメディア「モクプロ」を運営。