【事務所】北海道「エア・ウォーターの森」

【事務所】北海道「エア・ウォーターの森」

「エア・ウォーターの森」は、北海道札幌市の桑園エリアに2024年10月に開業した、延床面積8,444㎡・地上4階建ての非住宅木造オフィスです。

主要構造体に耐火集成材「燃エンウッド®」を採用し、その主要材には北海道産カラマツを100%使用。

鉄骨造に頼らず大規模オフィスを木造で実現した、北海道を代表する中大規模木造建築の一つです。

設計・施工は竹中工務店、事業主はエア・ウォーター北海道。

大学・企業・自治体・スタートアップが共創するオープンイノベーション施設であり、伐採から加工・建築・再生までを地域内で循環させる「森林グランドサイクル」を体現しています。

木造化により製造時CO₂排出を抑え、木材へ炭素を貯蔵することでカーボンニュートラルに貢献。

BELS認証で最高位「★★★★★(星5つ)」相当の環境性能を取得し、国土交通省「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」にも採択されました。

非住宅分野の木造化・木質化を検討する建材メーカー・工務店・設計事務所にとって、構造・性能・循環設計の三拍子がそろった必見の事例です。

この記事でわかること

  • 大規模オフィスを「木造(一部鉄骨造)4階建て」で成立させた構造・性能の要点
  • 道産カラマツと端材を循環させる「森林グランドサイクル」の具体的な実践方法
  • 非住宅木造でBELS最高位・木造先導事業採択を実現した設計のポイント

「エア・ウォーターの森」建物概要

エア・ウォーターの森概要
項目内容
名称エア・ウォーターの森
用途事務所(オープンイノベーション推進施設・サードワークプレイス)
所在地北海道札幌市中央区北8条西13丁目28-21(JR桑園駅近く)
構造木造建築 一部鉄骨造/地上4階建(主要構造体に木造を採用)
敷地面積5,190㎡
延床面積8,444㎡
主要構造材耐火集成材「燃エンウッド®」/北海道産カラマツ100%
環境性能BELS認証 最高位「★★★★★(星5つ)」相当
採択国土交通省「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」
総工費約50億円
スケジュール2023年9月着工/2024年10月竣工・開業
設計・施工株式会社竹中工務店
事業主エア・ウォーター北海道株式会社

「エア・ウォーターの森」のコンセプトと森林循環

エア・ウォーターの森コンセプト

「エア・ウォーターの森」は、北海道の社会課題解決と森林資源の循環を、木造建築そのもので体現する共創拠点です。

  • 「農業と食」「カーボンニュートラル」を主軸にしたオープンイノベーション施設
  • 道産カラマツの伐採〜加工〜建築〜再生を地域内で巡らせる「森林グランドサイクル」を採用
  • 木造化で製造時CO₂を抑え、木材へ炭素を貯蔵してカーボンニュートラルに貢献

「エア・ウォーターの森」が木造を選んだ理由

「エア・ウォーターの森」が木造を選んだ理由

鉄骨造より木造のほうがカーボンニュートラルへの貢献度が高いと判断したためです。

  • 建材製造時のCO₂排出が少なく、木材自体に炭素を貯蔵できる
  • 北海道との包括連携協定(2022年9月)を背景に、道産材を構造材へ積極活用
  • 市民が立ち寄り集う「緑豊かでシンボリックな空間」を木で実現

「エア・ウォーターの森」の道産カラマツ活用

「エア・ウォーターの森」の道産カラマツ活用

構造の主要材に、北海道産カラマツを100%使用しています。

  • 道内で道産材を製材・加工し、地域経済と林業に還元
  • 伐採→加工→建築→端材活用という「森林グランドサイクル」を実践
  • 道産木材の利用促進・木育を進める北海道の取り組みと連動

「エア・ウォーターの森」のカーボンニュートラル貢献

「エア・ウォーターの森」のカーボンニュートラル貢献

木造化と地域資源の活用で、建設・運用の両面から脱炭素に貢献します。

  • 木造建材の炭素貯蔵効果で、一般的な鉄骨造より環境貢献度が高い
  • 豊富な地下水を冷却用水・トイレ用水に利用する省エネ設備を採用
  • 施設自体がエア・ウォーターの脱炭素・再エネ事業を発信・実証する場

「エア・ウォーターの森」の木造化のポイントと性能

「エア・ウォーターの森」の木造化のポイントと性能

「エア・ウォーターの森」は、耐火集成材と高い環境性能で「非住宅木造でここまでできる」を示す好例です。

  • 主要構造体に耐火集成材「燃エンウッド®」を採用し、木造4階建てを実現
  • BELS最高位相当+国交省「木造先導型」採択という確かな性能
  • 端材の二次利用や道産木製家具でサーキュラーデザインを徹底

「エア・ウォーターの森」と耐火集成材「燃エンウッド」

「エア・ウォーターの森」と耐火集成材「燃エンウッド」

主要構造体に、竹中工務店の耐火集成材「燃エンウッド®」を採用しています。

  • 国土交通大臣の耐火構造認定を受けた耐火集成材で、木現しの空間を実現
  • 木造(一部鉄骨造)で延床8,444㎡・地上4階建ての大規模オフィスを構築
  • 燃え止まり層により、木の意匠と耐火性能を両立

「エア・ウォーターの森」のBELS最高位・先導事業採択

「エア・ウォーターの森」のBELS最高位・先導事業採択

BELS認証で最高位「★★★★★(星5つ)」相当の環境性能を取得しています。

  • 建築物省エネ法に基づく第三者認証で最高ランクを実現
  • 国土交通省「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択
  • 木造先導事例として、非住宅分野の木造化普及をけん引

「エア・ウォーターの森」のバイオフィリックデザイン

「エア・ウォーターの森」のバイオフィリックデザイン

寒冷地でも木と緑を感じながら働ける、バイオフィリックな環境を整えています。

  • 中央に吹抜けの「インナーガーデン」、トップライトで全フロアへ光を導く
  • インテリアグリーンと木質家具で、屋外にいるような感覚の執務空間
  • 3階はカラマツの森に包まれて働くオフィスとして計画

「エア・ウォーターの森」の端材活用・道産木製家具

「エア・ウォーターの森」の道産カラマツ活用

端材や道産材を家具にまで活かし、地域内の循環を徹底しています。

  • 端材をサイン・床目地・棚板へ二次利用するサーキュラーデザイン
  • リフレッシュ/ミーティング家具の天板に道産木積層合板を採用
  • 旭川家具組合とタイアップした道産木製家具を全フロアに導入

よくある質問(FAQ)

Q. エア・ウォーターの森はどんな建物ですか?

A. 北海道札幌市桑園に2024年10月開業した、延床8,444㎡・地上4階建ての非住宅木造オフィス(オープンイノベーション推進施設)です。

Q. なぜ木造・木質化を選んだのですか?

A. 製造時CO₂が少なく木材に炭素を貯蔵できるため、鉄骨造よりカーボンニュートラルへの貢献度が高く、道産材活用と森林循環を体現できるからです。

Q. どんな木材・構造を使っていますか?

A. 主要構造体に耐火集成材「燃エンウッド®」、その主要材に北海道産カラマツを100%使用しています。構造は木造(一部鉄骨造)の地上4階建てです。

Q. 環境性能はどのレベルですか?

A. BELS認証で最高位「★★★★★(星5つ)」相当。国土交通省「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」にも採択されています。

Q. 設計・施工と事業主はどこですか?

A. 設計・施工はともに株式会社竹中工務店、事業主はエア・ウォーター北海道株式会社です。


出典:エア・ウォーターの森 公式サイト/竹中工務店 設計部「共創の森 エア・ウォーターの森」/エア・ウォーター株式会社 ニュースリリース(2023年9月29日)

「エア・ウォーターの森」ギャラリー

「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
「エア・ウォーターの森」ギャラリー
  • URLをコピーしました!

著者

一級建築士。群馬県出身。芝浦工業大学卒業後、設計事務所・工務店・木構造材メーカー勤務を経て、2015年にハウス・ベース株式会社を起業。事業内容:住宅・建築関連の業務支援。特に非住宅用途の木造化・木質化支援(広報支援・設計支援・実務支援)に注力。木造非住宅オウンドメディア「モクプロ」を運営。