建設業界の価格改定・受注制限情報まとめ【2026年4月13日版】

建設業界の価格改定・受注制限情報まとめ【2026年4月13日版】

建設業界は今、深刻な資材調達の危機に直面しています。

2026年4月13日現在、中東情勢の悪化やナフサ不足により、多くの建材メーカーで価格改定や受注制限が発表されました。

非住宅木造プロジェクトにおいても、計画、設計、申請の段階で建材確保の見通しを立てることが急務です。

最新の建材状況をまとめます。

皆さまの一助となれば幸いです。

INDEX

2026年4月の建設業界における価格改定と受注制限の背景

2026年4月の建設業界における価格改定と受注制限の背景

2026年4月に入り、建設業界全体を揺るがす大きなニュースが次々と飛び込んできました。

これまでも物流コストの上昇や人手不足などの課題がありましたが、ここにきて新たな国際的な問題が建材の供給網を直撃しています。

特に工務店や建設会社、設計事務所の皆様にとって、資材が適正な価格で必要な時期に届かないことは、工期の遅れや予算超過に直結する死活問題です。

まずは、なぜ現在このような価格改定や受注制限が多発しているのか、その根本的な背景を紐解いていきましょう。

世界的な情勢の変化が、私たちが取り組む木造建築の現場にどのような影響を及ぼしているのか、わかりやすく解説します。

中東情勢の緊迫化が建材メーカーに与える影響とは

現在の混乱の最大の要因は、中東情勢の緊迫化によるものです。

イランでの軍事衝突やホルムズ海峡が事実上封鎖されたことにより、国際物流に深刻な影響が生じています。

この海峡は原油輸送の重要な通り道であるため、エネルギー価格の高騰や物流網の停滞が避けられない状況となっています。

建材を製造するための工場を動かすエネルギーはもちろん、製品を日本へ運ぶための輸送コストも跳ね上がりました。

その結果、国内の建材メーカーは自社の努力だけではコスト増加を吸収できず、やむを得ず製品の価格を引き上げたり、供給できる数量を制限したりする苦渋の決断を迫られているのです。

ナフサ不足と原油価格高騰によるサプライチェーンの混乱

中東情勢の悪化は、原油価格の高騰だけでなく「ナフサ不足」という深刻な問題を引き起こしています。

ナフサは原油から作られる粗製ガソリンのことで、さまざまな建材の原材料として欠かせない物質です。

例えば、プラスチック樹脂や接着剤、コーティング剤、そして断熱材など、私たちが普段使用している多くの製品がナフサを原料としています。

このナフサが不足し価格が高騰しているため、石油由来の原材料を必要とする製品の生産が大きく遅れています。

建材メーカー各社は、少しでも安定して製品を届けるための対策を急いでいますが、根本的な原材料不足により、生産ラインを維持することが難しくなっている状況です。

非住宅木造プロジェクトの計画と設計への波及リスク

このようなサプライチェーンの混乱は、非住宅木造のプロジェクトにも直結する大きなリスクです。

木造化・木質化を進めるためには、木材だけでなく、防水材や断熱材、設備機器など多様な部材が組み合わさって完成します。

一部の材料が欠品するだけで、全体の計画や設計の見直しが必要となり、着工や引き渡しのスケジュールに影響を及ぼします。

特に非住宅用途の大型プロジェクトでは、大口の注文が制限される動きもあり、資材調達の難易度が上がっています。

実務を担う皆様は、最新の市場動向を常に把握し、代替品の検討や早めの発注など、リスクを最小限に抑えるための柔軟な対応が求められています。

大手設備・建材メーカーの受注停止・制限の最新動向

大手設備・建材メーカーの受注停止・制限の最新動向

原材料の不足と物流の混乱を受け、住宅から非住宅まで幅広く利用される大手メーカーの製品において、具体的な受注停止や供給制限が始まっています。

特に、工事の進行に直結する重要な設備の供給がストップすることは、現場にとって非常に大きな痛手となります。

仕様を決定し、いざ発注しようとした段階で「注文を受け付けられない」と言われるケースも増えてきました。

ここでは、2026年4月13日時点における主要なメーカーの具体的な動向を整理します。

どの製品がどのような状況にあるのかを正しく把握し、現場の混乱を防ぐための情報としてご活用ください。

TOTOのユニットバス受注停止とその要因

水回り設備の大手であるTOTOは、4月13日に住宅向けなどのユニットバスの受注を停止したと発表しました。

再開時期は未定という非常に厳しい状況です。 受注停止の理由は、ユニットバスの壁や天井のフィルムを貼り付ける接着剤や、浴槽のコーティング剤に使用される「溶剤」が不足しているためです。

この溶剤は原油を精製したナフサから作られており、ホルムズ海峡の封鎖による影響をもろに受けています。

非住宅木造においても、宿泊施設や福祉施設などユニットバスを多く採用する物件では、設計変更や納期の見直しなど、早急な対応が必要となるでしょう。

田島ルーフィングのアスファルトルーフィング受注停止

屋根の下葺材などで知られる田島ルーフィングも、異例の受注停止措置に踏み切りました。

イラン情勢の悪化に伴い、想定を大幅に上回る注文が殺到したことが原因です。

同社は安定供給に向け努力を続けていましたが、供給能力を超過し、一部関連材料の品薄や配送車両の不足も重なりました。

その結果、4月9日からアスファルトルーフィング類の一時受注停止を決定し、さらに4月10日夕方からは全ての新規受注を停止すると発表しました。

屋根の防水に関わる重要な建材であるため、工事の進捗への影響が懸念されます。

受注再開時期は未定であり、注視が必要です。

LIXILやDAIKENによる大口注文への注意喚起と制限

LIXILやDAIKENといった建材メーカーも、供給制限や大口注文への対応について注意喚起を行っています。

LIXILは、樹脂などの石油由来原材料の供給制限や金属素材の価格上昇を受け、生産活動に影響が出ているとし、今後の情勢次第で生産・出荷の調整や制限、受注の調整を行う可能性があると発表しました。

DAIKENも同様に、生産に直ちに影響が出る状況ではないとしつつも、通常の取引量を著しく上回る注文に対しては、数量の制限や納期の調整、分納をお願いする場合があるとして注意を促しています。

特に大型プロジェクトを抱える実務者は、メーカーとの密な連携が不可欠です。

断熱材や気密・防水材などの大幅な価格改定(値上げ)動向

断熱材や気密・防水材などの大幅な価格改定(値上げ)動向

受注停止だけでなく、製品価格の大幅な改定、すなわち値上げの波も押し寄せています。

これまでも段階的な値上げはありましたが、今回は一気に数十パーセントというかつてない規模の改定が発表されており、プロジェクトの予算組みに甚大な影響を与えかねません。

特に非住宅木造においては、高い省エネ性能を実現するために大量の断熱材や気密層・防水層の部材を使用します。

これらの材料費が高騰することは、事業の採算性に直結します。

ここでは、各メーカーから発表された値上げの具体的な内容と、今後の価格変動の可能性について詳しく解説していきます。

マグ・イゾベールによるグラスウール製品の25%超値上げ

グラスウール断熱材の大手であるマグ・イゾベールは、グラスウール全製品と関連部材の価格を、2026年7月1日の出荷分から25%以上値上げすると発表しました。

中東情勢の悪化による原燃材料費の増加や物流コストの上昇が主な理由です。

また、同社は当面の間、新規の取引や見積もりを停止し、既存の顧客に対してもこれまでの納入実績に応じた受注対応にとどめる厳しい制限措置を講じています。

大口の注文は見合わせる場合もあるとしており、木造化プロジェクトでの断熱材の確保は計画段階から慎重に進める必要があります。

日本住環境の気密層・防水層製品の40%値上げ発表

日本住環境も、気密層・防水層の製品について大幅な価格改定を発表しました。

「ダンタイト」や「ダンシーツ」といった主要製品の価格を、5月1日の出荷分から40%も引き上げるという内容です。

こちらもエネルギーコストと原材料価格の高騰が原因であり、企業努力だけでは現在の価格を維持できなくなったとしています。

さらに、同社は当面の間、新規の大口案件に対する見積もりの回答を見合わせるとしています。

気密・防水は建物の性能を左右する重要な部分ですが、予算の確保と同時に、必要な時期に必要な数量が手に入るかの確認が急務となっています。

城東テクノやロンシール工業における価格改定の可能性

明確な値上げ時期や改定幅をまだ発表していないメーカーの間でも、価格改定を示唆する動きが広がっています。

例えば、城東テクノは中東情勢の影響を受け、自社努力のみでの現行価格の維持が困難と判断し、全製品を対象とした価格改定や受注制限を近日中に実施する可能性があると発表しました。

また、ロンシール工業も、ホルムズ海峡封鎖による原油やナフサの輸送網の混乱から、今後、納期遅延や供給数量の制限、そして価格改定を行う可能性があるとしています。

市場全体で値上げの動きが加速しており、材料費の変動リスクを常に考慮した計画が求められます。

木造化・木質化を進める実務者が取るべき今後の対策

木造化・木質化を進める実務者が取るべき今後の対策

このように目まぐるしく変化する市場環境の中で、工務店や建設会社、設計事務所といった建築実務者は、どのような対策を講じるべきでしょうか。 不安な状況ではありますが、立ち止まるわけにはいきません。

厳しい環境を乗り越え、木造化・木質化プロジェクトを滞りなく進めるためには、従来通りのやり方を見直し、より先回りした行動と多角的なアプローチが必要です。

ここでは、設計から施工、そして顧客への広報活動に至るまで、実務者が今すぐ取り組むべき具体的な対策について解説します。

困難な時期だからこそ、企業の信頼を高めるチャンスと捉え、前向きに行動していきましょう。

設計段階での代替建材の選定と早めの申請準備

まず設計段階での対策として、特定の建材に依存しない柔軟な仕様設定が重要です。

あるメーカーの製品が受注停止になった場合に備え、設計の初期段階から複数の代替建材を検討リストに入れておくことをお勧めします。

また、建築確認などの申請手続きについても、製品変更が生じる可能性を視野に入れ、スケジュールに余裕を持たせた計画を立てましょう。

非住宅木造の設計は構造が複雑になることも多いため、早め早めの行動が不可欠です。

入手困難な材料を前提にしてしまうと、着工直前になって計画全体が頓挫する恐れがあります。

常に最新の供給情報を確認しながら設計を進める姿勢が求められます。

施工者や建材メーカーとの緊密な連携と情報共有

施工者や建材メーカー、木材メーカーとの緊密な連携と情報共有もこれまで以上に大切になります。

大口注文が制限される中、急な発注では資材を確保できない可能性が高まっています。

プロジェクトが立ち上がった段階で、施工を担当する会社や材料を供給するメーカーに想定される物量を早めに伝え、仮押さえや分納の計画を共に練ることが重要です。

木構造に精通した信頼できる施工者紹介のネットワークを活用し、チーム全体で危機意識を共有しましょう。

こまめなコミュニケーションによって、「いつ、何が、どれだけ必要なのか」を関係者全員で正確に把握しておくことが、トラブルを防ぐ最大の防御策となります。

コンテンツマーケティングを通じた顧客への適切な広報

顧客(施主)に対する適切な広報活動も欠かせません。

建材の価格高騰や工期の遅れは、施主にとっても大きな不安要素です。

だからこそ、コンテンツマーケティングを通じた情報発信が力を発揮します。

自社のウェブサイトやSNSで、現在の業界の状況を誠実に伝え、なぜ工期や見積もりに影響が出ているのかをわかりやすく説明するコンテンツ制作を行いましょう。

誠実で透明性のある情報を発信し続けることは、企業の信頼性を高めることにつながります。

ピンチの時こそ、正確なナレッジに基づいた丁寧な説明を行うことで、「この会社なら安心して任せられる」という顧客との強い信頼関係を築くことができます。

非住宅木造の挑戦を支えるモクプロとハウス・ベースの役割

非住宅木造の挑戦を支えるモクプロとハウス・ベースの役割

建材不足や価格高騰といった逆風の中、非住宅木造市場への挑戦は決して簡単な道のりではありません。

しかし、脱炭素社会の実現に向け、木造化・木質化のニーズは今後さらに高まっていくと予想されます。

このような難しい局面に直面する建築実務者の皆様をサポートするために存在するのが、非住宅木造オウンドメディア「モクプロ」と、それを運営するハウス・ベース株式会社です。

私たちは、皆様が抱える切実な不安に寄り添い、挑戦を成功へと導くための「プラットフォーム」でありたいと考えています。

最後に、私たちがどのように皆様のプロジェクトを支援していくのか、その具体的な役割をご紹介します。

建築実務者の不安に寄り添うナレッジの提供

モクプロが提供する大きな価値の一つが「ナレッジ」です。

非住宅木造に関する専門知識は多岐にわたりますが、私たちは基礎から応用までを網羅した体系的なコンテンツを提供し、皆様の知識レベルの向上を支援します。

今回のような建設業界の価格改定や受注制限といった最新動向も、専門家の知見を交えてわかりやすく解説し、実務に直結する情報として発信し続けます。

変化の激しい時代において、正確でタイムリーな情報は強力な武器となります。

私たちは、皆様が日々直面する課題を解決するためのヒントを、質の高い記事コンテンツとしてお届けすることで、プロジェクトの円滑な進行をバックアップします。

設計事務所や施工者紹介を通じたプロジェクト支援

ハウス・ベース株式会社は、情報発信にとどまらず、実際のプロジェクト支援にも力を入れています。

木造化・木質化を成功させるためには、優秀なパートナーとの出会いが不可欠です。

私たちは、木構造の実績が豊富な設計事務所紹介や、信頼できる施工者紹介を通じて、最適なチーム作りをサポートします。

また、モクプロの「プロジェクト」のコーナーでは、注目の事例を単なる実績紹介ではなく、技術的な背景も補足しながら詳しく解説しています。

こうしたネットワークの力と事例の共有により、初めて非住宅木造に取り組む企業でも、安心して事業を進められる環境を提供し、業界全体の成功を後押しします。

ウェブサイトやイベントを活用したコミュニティ形成

さらに私たちは、実務者同士が繋がり、知見を共有できる「コミュニティ」の形成を推進しています。

ウェブサイトでの情報提供だけでなく、勉強会や現場見学会、視察などのリアルなイベントを定期的に開催します。

これらのイベントには、第一線で活躍する専門家を講師として招き、直接ノウハウを学ぶ機会を設けます。

同じ志を持つ実務者同士が交流し、意見を交換することで、一社では解決できない課題もネットワークの力で乗り越えることが可能になります。

モクプロは、皆様と共に学び、共に成長するプラットフォームとして、これからも木造非住宅市場の発展とプロフェッショナルの皆様の活動を全力で支援してまいります。

まとめ

まとめ 建材 価格改定 受注制限

本記事では、2026年4月13日時点における建設業界の深刻な価格改定および受注制限の最新動向について解説しました。

中東情勢の緊迫化に伴うナフサ不足と物流コストの高騰により、TOTOや田島ルーフィングによる異例の受注停止をはじめ、マグ・イゾベールや日本住環境による大幅な値上げが発表されました。

これらの動きは、非住宅木造プロジェクトの計画や設計、予算組みに多大な影響を及ぼしています。

このような先行き不透明な状況下において、木造化・木質化プロジェクトを成功に導くためには、設計段階での柔軟な代替品の選定や、木構造に強い施工者との緊密な連携が不可欠です。

同時に、ウェブサイトのコンテンツ制作などを通じた誠実な広報活動により、顧客との信頼関係を維持することも重要になります。

ハウス・ベース株式会社が運営する「モクプロ」は、建築実務者の皆様の不安に寄り添い、確かな「ナレッジ」の提供と、最適な設計事務所や施工者紹介による「プロジェクト支援」、そしてイベント等を通じた「コミュニティ形成」によって皆様の挑戦をサポートするプラットフォームです。

厳しい環境下ではありますが、共に知恵を絞り、業界全体の発展を目指して前進していきましょう。皆様の力強いパートナーとして、モクプロをぜひご活用ください。

ハウス・ベース株式会社の木造化・木質化支援

非住宅用途の建築物で、木造化・木質化の更なる普及が期待されています。

諸問題を解決して、木造化・木質化を実現するには、「木が得意な実務者メンバー」による仕事が必要不可欠です。

木造非住宅ソリューションズでは、発注者の課題に対して、最適な支援をご提案します。

ハウス・ベース株式会社は、建築分野の木造化・木質化を支援するサービスである「木造非住宅ソリューションズ」を展開しています。

「木造非住宅ソリューションズ」とは、脱炭素社会実現に向けて、建築物の木造化・木質化に関する課題解決に貢献するための業務支援チームです。

◾️テーマ:「(木造化+木質化)✖️α」→木造化・木質化を追求し、更なる付加価値を創出

◾️活動の主旨:木に不慣れな人・会社を、木が得意な人・会社が支援する仕組みの構築

【主なサービス内容】

◾️広報支援:コンテンツマーケティング、WEBサイト制作、コンテンツ制作等

◾️設計支援 :設計者紹介、計画・設計サポート、設計・申請補助等

◾️実務支援 :木構造支援、施工者紹介、講師等

木造化・木質化で専門家の知見が必要な場合は、ぜひハウス・ベース株式会社までお気軽にお問合せください。

  • URLをコピーしました!

著者

一級建築士。群馬県出身。芝浦工業大学卒業後、設計事務所・工務店・木構造材メーカー勤務を経て、2015年にハウス・ベース株式会社を起業。事業内容:住宅・建築関連の業務支援。特に非住宅用途の木造化・木質化支援(広報支援・設計支援・実務支援)に注力。木造非住宅オウンドメディア「モクプロ」を運営。

INDEX