
【高知・学校】CLTと大屋根が魅せる高知県立林業大学校

「高知県立林業大学校」は、次世代の林業を担うプロフェッショナルを育成するための施設であり、建物自体が「生きた教材」として機能するよう計画されています。
周囲の豊かな山並みに呼応するような大屋根と、構造材であるCLTを現し(あらわし)で大胆に使用した空間構成が最大の特徴です。
木造非住宅分野において課題となりやすい「大空間の確保」を、CLT構造やトラス構造を駆使して実現しており、構造合理性と意匠性が高度に融合しています。
地域産材の積極利用と先端技術の調和は、これからの中大規模木造建築の在り方を示す象徴的な事例と言えます。
高知県立林業大学校のコンセプト

- 林業を学ぶ学生たちが、構造や素材を身近に感じられる「生きた教科書」としての建築。
- 周囲の山並みと連続するような大屋根が生み出す、半屋外を含む開放的な学習環境。
- 高知県産材(ヒノキ・スギ)を多用し、地域林業の可能性を可視化するデザイン。
高知県立林業大学校 意匠設計

- 山並みと調和する大屋根:急勾配の屋根が連なる形状は、背景の山々と一体化するようなランドスケープを形成しています。
- 開放的な半屋外空間:実習棟の大きな軒下空間は、雨天時の作業だけでなく、学生たちの交流の場としても機能します。
- 素材の現し仕上げ:構造体であるCLTや木材を隠さずに見せることで、木の温かみと力強さをダイレクトに伝えています。
高知県立林業大学校 架構計画

- CLTパネルの多角的利用:壁や床だけでなく、屋根構造そのものにCLTパネルを使用し、構造材兼仕上げ材としています。
- 適材適所のハイブリッド:接合部や大きな引張力がかかる部分には鉄骨や金属ロッドを用い、木材の弱点を補完しています。
- 燃えしろ設計の採用:大規模建築に必要な耐火性能を、木材の厚みによる燃えしろ設計等でクリアし、木質感を維持しています。
高知県立林業大学校のポイント

- 国内有数のCLT生産地である高知県の特性を活かした、CLTパネル工法の積極採用。
- 実習棟における最大スパン約18mもの大空間を、木造主体で実現した構造アイデア。
- 特殊な形状と納まりを実現するための、プレカット技術と施工精度の高さ。
高知県立林業大学校 CLT活用

- 折版構造(フォールデッド・プレート):CLTパネルを山型に組み合わせることで剛性を高め、大スパンの屋根を構成しています。
- 面材としての強度利用:従来の軸組工法とは異なり、面全体で力を受けるCLTの特性を活かした耐震設計が行われています。
- 施工の合理化:工場で加工された大型パネルを現場で組み立てることで、現場作業の省力化と工期短縮に寄与しています。
高知県立林業大学校 大空間

- 大スパンの実現:実習等の大空間は、CLTパネルと鉄骨材を組み合わせた合成梁やトラス構造によって実現されています。
- 視界を遮らない空間:柱の少ない大空間は、大型の林業機械を搬入しての実習を可能にし、フレキシブルな利用を促進します。
- 構造美の表現:力の流れを可視化したような架構デザインは、機能美として空間の質を高めています。
高知県立林業大学校:ギャラリー




















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