【博物館】福井県「福井県年縞博物館」

【博物館】福井県「福井県年縞博物館」

福井県三方上中郡若狭町に建つ「福井県年縞博物館」は、世界最長45mの「年縞(ねんこう)」を展示する世界初の専門博物館です。

設計は内藤廣建築設計事務所。

水月湖の湖畔という立地環境と、7万年という時間を内包する展示物に呼応するよう、全長140mに及ぶ直線的な建築が計画されました。

本プロジェクトの最大の特徴は、RC造、鉄骨造、木造を適材適所に組み合わせた合理的かつ美しい「混構造(ハイブリッド構造)」です。

水害リスクのある立地に対し、1階をRC造のピロティ、2階を鉄骨+木造屋根の展示空間とする構成を採用。

地域の木材(福井県産スギ)を仕上げやコンクリート型枠に積極的に活用し、中大規模建築における木材利用の可能性を示した好事例です。

福井県年縞博物館のコンセプト

福井県年縞博物館のコンセプト
  • 「歴史のものさし」を納める器:世界標準となる45mの年縞標本を分断せず一続きに見せるため、長さ140mという線形の建築ボリュームを構築。
  • 環境との調和:名勝・三方五湖の一つである水月湖のほとりに佇み、里山の景観に溶け込むよう低く抑えられた切妻屋根のデザイン。
  • 時を刻む素材:7万年という長い時間を扱う施設として、一過性でなく、経年変化によって風合いを増す素材(木、コンクリート、金属)を選定。

福井県年縞博物館×内藤廣

福井県年縞博物館×内藤廣
  • 土木と建築の融合:内藤廣氏の特色である、土木的なスケール感(1階の力強いRC柱やピロティ)と、繊細な建築的ディテール(2階の木造屋根架構)の対比が際立ちます。
  • 架構の美学:構造体を隠蔽せず意匠として昇華させることで、力強さと静謐さが同居する、展示物に集中できる空間を生み出しています。

福井県年縞博物館×景観デザイン

福井県年縞博物館×景観デザイン
  • 水害への備え:ハザードマップ上の浸水想定区域に位置するため、1階をピロティとして、重要な展示室を2階へ持ち上げる断面計画を採用。
  • 風景の継承:建物の高さを抑え、外壁や屋根の勾配を周辺の集落や背後の山並みと呼応させることで、突出することなく風景の一部となるよう配慮されています。

福井県年縞博物館の建築ポイント

福井県年縞博物館の建築ポイント
  • 合理的な混構造:1階は耐久性と耐水性に優れたRC造、2階大空間は軽量で自由度の高い鉄骨トラス+木造屋根とし、機能とコストを最適化。
  • 地場産材の多角的利用:福井県産スギ材を天井やルーバーなどの仕上げ材としてだけでなく、RC柱の型枠としても活用し、木の気配を建物全体に波及。
  • 設備と意匠の統合:床吹出し空調(床下チャンバー)を採用することで、美しい木架構の天井面をダクトや設備機器で阻害しない工夫がなされている。

福井県年縞博物館×混構造

福井県年縞博物館×混構造
  • ハイブリッドな架構形式:自立するRCの壁の上に鉄骨のトラスを載せ、その上に木造の登り梁を架ける構成です。
  • 適材適所の構造計画:大きな荷重や湿気対策をRCと鉄骨が担い、意匠的な温かみと屋根荷重の軽量化を木材が担う、木造非住宅建築の現実的な解法の一つです。

福井県年縞博物館×県産材

福井県年縞博物館×県産材
  • スギ板本実型枠の活用:1階ピロティなどのコンクリート打放し仕上げには、県産スギの小幅板を型枠として使用。木目をコンクリート表面に転写させ、有機的な表情を与えています。
  • 温もりのある展示空間:2階展示室の天井にはスギ板が貼られ、鉄骨トラスのクールな印象と木材の温かみが共存する、モダンな空間を創出しています。

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非住宅用途の建築物で、木造化・木質化の更なる普及が期待されています。

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著者

一級建築士。群馬県出身。芝浦工業大学卒業後、設計事務所・工務店・木構造材メーカー勤務を経て、2015年にハウス・ベース株式会社を起業。事業内容:住宅・建築関連の業務支援。特に非住宅用途の木造化・木質化支援(広報支援・設計支援・実務支援)に注力。木造非住宅オウンドメディア「モクプロ」を運営。