【広報支援】木造非住宅のプロが信頼を得るブログ・SNS広報術

【広報支援】木造非住宅のプロが信頼を得るブログ・SNS広報術

「優れた木構造の技術があるのに、なかなか問い合わせに繋がらない」

「こだわりの設計や建材の良さが、未来のお客様にうまく伝わっていない」

木造非住宅の分野で事業を展開される建材メーカー、工務店、設計事務所の皆様の中には、このような広報に関する課題をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

これまでの建築業界では、実績や人脈が受注の大きな要因でした。

しかし、インターネットで誰もが情報を探す現代において、その状況は大きく変わりつつあります。

お客様は、専門家を探すためにまず検索エンジンを使い、SNSで評判を確かめます。

そこで「見つけてもらえない」企業は、スタートラインに立つことすら難しくなっているのです。

この記事では、木造非住宅のプロフェッショナルである皆様が、ブログやSNSといったウェブメディアを活用し、専門家としての「信頼」をオンラインで構築するための具体的な情報発信術を解説します。

難しい専門用語は使いません。

明日からでも実践できるコンテンツマーケティングの考え方から、SEOを意識したキーワード選定、読者の心に響く記事の書き方、そして集客効果を最大化するSNS連携の仕組みまで、順を追って分かりやすくご紹介します。

この記事を読めば、貴社の持つ確かな技術と価値を、それを必要としている未来のお客様へ的確に届けるための第一歩が踏み出せるはずです。

INDEX

なぜ今、木造非住宅のプロに情報発信が必要なのか?

なぜ今、木造非住宅のプロに情報発信が必要なのか?

「良いものを作れば、いつか誰かが見つけてくれる」という考え方は、残念ながら情報過多の現代では通用しにくくなっています。

木造非住宅という専門性の高い分野だからこそ、プロフェッショナルとしての知識と経験を積極的に発信し、お客様から「見つけてもらう」努力が不可欠です。

この章では、なぜ今、建材メーカーや設計事務所、工務店の皆様がブログやSNSでの情報発信に取り組むべきなのか、その3つの本質的な理由を解説します。

これは単なる流行りのマーケティング手法ではなく、会社の未来を支える重要な経営戦略です。

情報発信がもたらす価値を理解し、広報活動の新たな一歩を踏み出しましょう。

広告だけに頼らない「見つけてもらう」広報への転換

従来のマーケティングは、テレビCMや雑誌広告のように、企業側から情報を一方的に「押し出す(プッシュ型)」のが主流でした。

しかし、現代の顧客は自らインターネットで情報を検索し、自分の課題を解決してくれる専門的な知見を能動的に「引き寄せる(プル型)」行動へと変化しています 。

特に、木造非住宅のような高額で専門的な分野では、顧客は契約前に徹底的に情報収集を行います。

このとき、売り込み色の強い広告よりも、課題解決に役立つ有益な情報を提供してくれる専門家を信頼するのは自然な流れです 。  

ブログやSNSでの情報発信は、まさにこの「プル型」マーケティングを実践する最も効果的な手法です。

「耐火性能の高い木質建材を探している」

「木造で大スパンを実現する工法を知りたい」

といった具体的な悩みを持つ潜在顧客に対し、専門的な解説記事や施工事例を提供することで、取引が始まるずっと前から「信頼できる専門家」としての関係を築くことができます。

これは、広告費を払い続けることで得られる一時的な注目とは異なり、顧客との長期的な信頼関係の礎となるのです 。  

専門知識が会社の「デジタル資産」になる理由

支払い停止と共に効果が消えてしまう広告とは対照的に、一度作成した質の高いブログ記事やSNS投稿は、ウェブ上に半永久的に残り続けます 。

これが、コンテンツが「デジタル資産」と呼ばれる所以です。

例えば、「木造4階建て事務所の設計ポイント」といったテーマで詳細な解説記事を執筆したとします。

この記事が検索エンジンで高く評価されれば、1年後、3年後、あるいは5年後であっても、同様の課題を持つ設計者や事業主が検索してたどり着き、貴社への問い合わせに繋がる可能性があるのです 。  

このように、一つひとつのコンテンツは、24時間365日、文句も言わずに働き続けてくれる優秀な営業担当のような存在になります。

施工事例、技術解説、法規の解説といった専門知識をコンテンツとして蓄積していくことは、インターネット上に貴社だけの価値ある図書館を建設していくようなものです。

時間が経つほどにその図書館の蔵書(コンテンツ)は充実し、より多くの人々を引き寄せ、安定した見込み客を生み出し続ける、価値ある経営資産へと成長していくのです。

設計・施工実績だけでは伝わらない技術力と信頼性を伝える

完成した建物の写真や実績リストは、貴社の能力を示す重要な要素です。

しかし、それだけでは

「なぜその設計が優れているのか」

「どのような技術的課題を乗り越えたのか」

といった、専門家としての深い知見やプロセスは伝わりません。

情報発信は、その「なぜ」の部分を語り、他社との差別化を図る絶好の機会です。

Googleがコンテンツの品質を評価する基準に「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」という考え方があります 。

これは、書き手がそのテーマについて実際の経験を持ち、専門家であり、業界で認められ、信頼できる存在であるかを重視するというものです 。  

例えば、ある木造施設の施工事例を紹介する際に、単に完成写真を載せるだけでなく、「工法の選定理由」や「現場で直面した木材の維持管理への対策」といった、経験に基づいた一次情報をブログで語ることで、貴社の専門性と信頼性は格段に高まります。

このような「経験」からくる生きた情報は、AIには決して真似できない価値を持ち、読者に深い信頼感を与えるのです 。  


木造非住宅で検索される第一歩!ターゲットに響くキーワード戦略

木造非住宅で検索される第一歩!ターゲットに響くキーワード戦略

どれだけ価値のある専門知識を発信しても、それを必要としている人の目に触れなければ意味がありません。

ウェブでの情報発信において、お客様が貴社を見つけ出すための「道しるべ」となるのが「キーワード」です。

お客様がどのような言葉で検索し、どんな課題を抱えているのかを理解することが、効果的な広報活動の出発点となります。

この章では、木造非住宅のプロである皆様が、自社の強みを的確にターゲットへ届けるための、SEO(検索エンジン最適化)を意識したキーワード戦略の基本を解説します。

難しいツールは不要です。

まずは顧客の視点に立つことから始めましょう。

「木造化 相談」お客様はどんな言葉で検索している?

キーワード戦略の第一歩は、ツールを触ることも重要ですが、基本はお客様の立場になって考えることです。

例えば、ある商業施設のオーナーが「店舗を木造で建てたい」と考えたとき、検索窓に何と打ち込むでしょうか。

「店舗 木造 費用」

「商業施設 木質化 メリット」

「木造建築 設計事務所 相談」

といった言葉が思い浮かびます。

これらの検索キーワードの背後には、

「コストを知りたい」

「木造化の利点を知りたい」

「相談できる専門家を探したい」

といった具体的な意図(インテント)が隠されています 。  

自社のサービスが、お客様のどのような課題を解決できるのかを考え、それを具体的な検索キーワードに落とし込んでみましょう。

設計事務所であれば「木造耐火建築物 設計」、建材メーカーであれば「CLT パネル 価格」、工務店であれば「大規模木造 施工会社」などが考えられます。

お客様が日常的に使う言葉や、彼らが抱える具体的な課題をキーワードとして捉えることで、より的確に潜在顧客にアプローチするコンテンツを作成することができるのです 。  

競合と差がつく「ロングテールキーワード」の見つけ方

「木造建築」のような検索回数が多い単一のキーワード(ビッグキーワード)で上位表示を目指すのは、非常に競争が激しく困難です。

そこで専門家の皆様にぜひ活用していただきたいのが、「ロングテールキーワード」です 。

これは、「木造倉庫 耐火要件 横浜市」のように、3語以上の複数の単語で構成される、より具体的で詳細な検索キーワードを指します 。  

このような具体的なキーワードで検索する人は、漠然と情報を探しているのではなく、明確な課題を持っており、解決策を真剣に探している可能性が非常に高いと言えます。

つまり、問い合わせや契約に結びつきやすい、質の高い見込み客である可能性が高いのです 。  

ロングテールキーワードは、競合が少ないため上位表示を狙いやすく 、テーマが具体的なので専門性を発揮しやすいというメリットもあります 。

自社の専門分野や施工エリア、得意な工法などを組み合わせて、ニッチでも確実にお客様に届くキーワードを見つけ出すことが、中小企業や専門家にとって非常に有効な戦略となります。  

無料で使える!キーワードリサーチツール活用術

お客様が使いそうなキーワードを想像するだけでなく、実際にどのようなキーワードが検索されているかをデータで確認できると、戦略の精度は格段に上がります。

ここでは、無料で利用できる代表的なツールを2つご紹介します。

一つ目は「Googleキーワードプランナー」です 。

これはGoogle広告のツールですが、広告を出稿しなくても無料でキーワードの月間検索ボリューム(おおよその検索回数)や関連キーワードの候補を調べることができます 。

例えば「木質化」と入力すると、「木質化 補助金」「内装木質化 事例」といった、ユーザーが実際に関心を持っている関連キーワードを多数見つけることができます 。  

二つ目は「ラッコキーワード」です。

こちらは、あるキーワードと一緒によく検索される単語(サジェストキーワード)を一覧で表示してくれるツールです 。

これらのツールを使って、自社の専門性とお客様のニーズが交差するキーワードを発見し、コンテンツ作成のヒントにしていきましょう。  


木造非住宅で信頼を築くブログコンテンツの作り方【基本の型】

木造非住宅で信頼を築くブログコンテンツの作り方【基本の型】

ターゲットとなるお客様に届けるべきキーワードが見つかったら、次はそのキーワードに対する「答え」となる質の高いコンテンツを作成する段階です。

特にブログ記事は、専門知識を体系的に伝え、会社の信頼をじっくりと築き上げるための最適なフォーマットです。

この章では、木造非住宅の専門家が、単なる情報の羅列ではない、読者の心を動かし「この会社に相談したい」と思わせるブログ記事を作成するための基本的な構成とライティングのコツを解説します。

論理的で分かりやすい文章の型を身につけ、貴社の知見を最大限に輝かせましょう。

読者の課題を解決する記事構成「PREP法」とは?

専門的な内容を分かりやすく、説得力を持って伝えるために非常に有効な文章の型が「PREP(プレップ)法」です 。

これは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論の再提示)の頭文字を取ったもので、ビジネス文書でも広く使われる論理的な構成手法です 。  

例えば、「なぜ中大規模木造にCLTが有効なのか」というテーマで解説する場合、以下のように構成できます。

  • P(結論): 中大規模木造において、CLTは工期短縮と設計の自由度向上に非常に有効な建材です。
  • R(理由): なぜなら、工場で精密に加工されたパネルを現場で組み立てるため、現場作業が大幅に削減され、高い寸法精度を確保できるからです。
  • E(具体例): 実際に、私たちが手掛けたある事務所では、CLT工法を採用したことで、鉄骨造で計画した場合と比較して約2ヶ月の工期短縮を実現しました。また、壁式構造による無柱の大空間も可能になりました。
  • P(結論): このように、工期と設計の両面でメリットがあるため、中大規模木造にはCLTの活用をおすすめします。

このPREP法を各見出しの中で活用することで、読者はストレスなく話の流れを追うことができ、内容への理解と納得感が飛躍的に高まります。

思わずクリックしたくなるタイトルの付け方3つのコツ

記事のタイトルは、検索結果やSNSのタイムラインで読者が最初に目にする、いわば「お店の看板」です。

内容がどれだけ素晴らしくても、タイトルに魅力がなければクリックしてもらえません。

ここでは、読者の興味を引き、クリックを促すための3つの簡単なコツをご紹介します。

  1. 具体的な数字を入れる: 「木造建築のメリット」よりも「【コストも公開】木造建築のメリット5選と注意点3つ」のように具体的な数字を入れると、記事で得られる情報量が明確になり、読者の興味を引きつけやすくなります 。  
  2. ターゲットに呼びかける: 「【設計者向け】」や「【工務店の皆様へ】」のように、誰に向けた記事なのかを明確にすることで、当事者意識を喚起し、「これは自分のための記事だ」と感じさせることができます 。  
  3. 得られる未来(ベネフィット)を示す: 「〇〇工法の解説」だけでなく、「工期を30%短縮する〇〇工法のすべて」のように、読者がその情報を知ることで得られる具体的なメリットを示すと、読む価値を感じてもらいやすくなります 。  

これらのコツを意識し、検索キーワードを含めつつ、32文字程度に収めるのが理想的です 。  

専門用語を避けて分かりやすく伝えるライティング術

木造非住宅の分野は専門用語が多くなりがちですが、ブログの読者は必ずしも専門家とは限りません。

発注者や施設の担当者など、建築の知識が豊富でない方々にも理解してもらえるよう、できるだけ平易な言葉で説明することが信頼獲得の鍵です 。

例えば、「許容応力度計算」という言葉を使うのではなく、

「地震や台風などの大きな力に対して、建物の各部分がどれだけ耐えられるかを科学的に計算する方法です」

のように、かみ砕いて説明する工夫が大切です。  

また、文章ばかりが続くと読者は疲れてしまいます。

2〜3行ごとに改行を入れたり 、箇条書きを使ったりして、視覚的に読みやすいレイアウトを心がけましょう。

さらに、複雑な構造や構法を説明する際には、簡単な図やイラスト、現場の写真を活用するのも非常に効果的です 。

専門家としての知識をひけらかすのではなく、お客様の視点に立って「分かりやすく伝える」姿勢こそが、真のプロフェッショナルとして信頼される第一歩となるのです。  


関係を深めるSNS活用術!プラットフォーム別攻略法

関係を深めるSNS活用術!プラットフォーム別攻略法

ブログが専門知識をじっくり伝える「ストック型」のメディアであるのに対し、SNSはリアルタイムな情報発信で顧客との関係性を深める「フロー型」のメディアです。

それぞれの特性を理解し、使い分けることが広報効果を高める鍵となります。

この章では、木造非住宅に関わる企業が特に活用すべきSNSプラットフォームを取り上げ、それぞれの特性に合わせた具体的な活用法を解説します。

自社のターゲットや発信したいコンテンツの内容に合わせて、最適なプラットフォームを選び、未来のお客様との接点を増やしていきましょう。

【BtoB向け】LinkedIn、Facebookでの専門性の示し方

BtoB(企業間取引)が中心となる木造非住宅ビジネスにおいて、LinkedInとFacebookは特に重要なプラットフォームです。

LinkedInは、ビジネスに特化したSNSであり、企業の担当者や経営者層が多く利用しています 。

ここでは、業界の最新動向に関する考察や、専門的な技術解説記事(ブログへのリンク)を共有することで、企業の専門性や権威性を効果的にアピールできます。

また、同業の専門家とネットワークを築き、情報交換を行う場としても非常に有効です。  

一方、Facebookは実名登録が基本であるため、ビジネス用途での信頼性が高いのが特徴です 。

企業の公式ページでは、施工事例の紹介はもちろん、プロジェクトの裏側や社員の働く様子などを発信することで、企業の「人柄」や文化を伝え、親近感を醸成することができます。

また、特定のテーマに関心のある人々が集まる「Facebookグループ」を活用し、コミュニティを形成することも、見込み客との関係構築に繋がります。  

【ビジュアルで魅せる】Instagramでの施工事例・デザイン紹介

建築やデザインは、その魅力の多くをビジュアルが占めます。

美しい写真や動画で訴求できるInstagramは、木造建築の魅力を伝えるのに最適なツールです 。

完成した建物の外観や内観だけでなく、木材の美しい木目、こだわりのディテール、光が差し込む空間の様子など、写真や短い動画(リール)で共有することで、言葉以上に多くのことを伝えられます。  

例えば、施工中の様子をタイムラプス動画で見せたり、設計のポイントを図解入りのカルーセル投稿(複数枚の画像をスライド形式で見せる投稿)で解説したりするのも効果的です。

ハッシュタグを戦略的に活用し、

「#木造オフィス」

「#CLT建築」

「#木質化デザイン」

といったキーワードで検索する潜在顧客に投稿を届けましょう。

Instagramは、貴社のデザイン力や技術力を視覚的に伝え、ブランドイメージを構築するための強力な武器となります。

【速報性が武器】X(旧Twitter)での情報発信と交流のコツ

X(旧Twitter)の最大の特徴は、リアルタイム性と情報の拡散力の高さです 。

この特性を活かし、木造非住宅の専門家として様々な活用が考えられます。

例えば、建築関連の法改正や新しい補助金制度が発表された際に、その概要とポイントをいち早く解説する速報を発信すれば、業界内での注目を集め、専門家としての認知度を高めることができます。  

また、セミナーや現場見学会などのイベント開催時に、その様子をリアルタイムで実況するのも面白いでしょう。

さらに、他の設計事務所やメーカーのアカウントと積極的に交流し、有益な情報を共有(リポスト)することで、業界内でのネットワークを広げ、コミュニティの一員としての存在感を示すことができます。

日々の気づきや短い技術TIPSなどを気軽に投稿し、フォロワーとの継続的な接点を持つことも、親近感と信頼の醸成に繋がります 。  


ブログとSNSの連携で木造非住宅の集客を最大化する仕組みづくり

ブログとSNSの連携で木造非住宅の集客を最大化する仕組みづくり

ブログとSNS、それぞれを単独で運用するだけでも効果はありますが、両者を戦略的に連携させることで、その効果は1+1が3にも4にもなる相乗効果を生み出します。

ブログで蓄積した専門知識を、SNSの拡散力を使ってより多くの人々に届け、SNSで出会った潜在顧客を、より深い情報が待つブログへと誘導する。

この好循環を生み出すことが、持続可能なオンライン集客の仕組みを構築する鍵です。

この章では、ブログとSNSを連携させ、広報活動のインパクトを最大化するための具体的なモデルと戦術を解説します。

ブログを情報の拠点にする「ハブ&スポークモデル」

効果的な連携戦略の基本となるのが「ハブ&スポークモデル」です 。

このモデルでは、専門知識が体系的に蓄積され、検索エンジンからも評価されるブログを「ハブ(中心拠点)」と位置づけます。

そして、XやInstagram、Facebookなどの各SNSは、そのハブから情報を拡散し、人々との接点を生み出し、最終的にハブであるブログへトラフィックを誘導するための「スポーク(車輪の輻)」としての役割を担います。  

具体的には、まずブログで「大規模木造建築におけるコストダウンの7つの秘訣」といった詳細な解説記事(ハブ)を作成します。

次に、その記事の要点を抜粋して、「コストダウンの秘訣①〇〇」といった形でSNS(スポーク)で数日に分けて投稿し、毎回「詳細はブログで解説しています」とブログ記事へのリンクを貼って誘導します 。

このモデルにより、SNSで興味を持った潜在顧客を、より深く体系的な情報が待つブログへとスムーズに案内し、そこで専門性を理解してもらい、問い合わせに繋げるという理想的な流れを構築できるのです。  

1つの記事を使い倒す!コンテンツ再利用(リパーパス)術

多忙な専門家の皆様にとって、時間は最も貴重な資源です。

多大な労力をかけて作成した一つのブログ記事を、一度きりの発信で終わらせるのは非常にもったいないことです。

そこで有効なのが、コンテンツの「再利用(リパーパス)」という考え方です 。

これは、一つの質の高い親コンテンツ(例:ブログ記事)から、複数の子コンテンツ(例:SNS投稿)を生み出し、労力を最小限に抑えながら発信量を最大化する賢い戦略です 。  

例えば、「ある木造商業施設の設計から竣工までのプロジェクト事例」という詳細なブログ記事を作成したとします。

この記事から、以下のような多様なコンテンツを展開できます。

  • Instagram用: 最も美しい内外観の写真を抜粋し、設計のこだわりを短いキャプションで紹介する。
  • X(旧Twitter)用: プロジェクトで直面した課題と解決策を、連続ツイート(スレッド)形式でストーリーとして語る。
  • Facebook/LinkedIn用: プロジェクトの社会的意義や、事業主様にもたらしたメリットに焦点を当てて、記事の要約とリンクを投稿する。
  • YouTubeショート用: 施工中の様子を繋いだ短い動画を作成する。

このように、一つのコンテンツを様々な角度から切り出して再利用することで、効率的に、かつ継続的に情報発信を続けることが可能になります。

成果を測定し改善を続けるための必須ツールと指標

情報発信は「やりっぱなし」では効果が半減してしまいます。

活動の成果を客観的なデータで測定し、何がうまくいっていて、何を改善すべきかを分析するプロセスが不可欠です。

そのためにまず見るべきは、無料ツール「Google Analytics」と「Google Search Console」です。

Google Analyticsでは、どのブログ記事が多く読まれているか(PV数)、訪問者がどのくらい記事を熱心に読んでいるか(平均エンゲージメント時間)、そして最終的に問い合わせページの閲覧に繋がったか(コンバージョン数)などを把握できます 。

一方、Google Search Consoleでは、人々がどのようなキーワードで検索してサイトにたどり着いたか、各キーワードでの検索順位などを確認できます 。  

これらのデータを見て、「専門的な技術解説の記事よりも、コストに関する記事の方が問い合わせに繋がりやすい」といった仮説を立て、次のコンテンツ企画に活かしていくのです。

PV数のような量的な指標だけでなく、問い合わせ数(CVR)のような質的な指標を追いかけることが、ビジネスの成果に繋がる情報発信の鍵となります 。  

まとめ

本記事では、木造非住宅のプロフェッショナルである建材メーカー、工務店、設計事務所の皆様が、ブログとSNSを活用して専門家としての信頼をオンラインで確立し、未来のお客様と繋がるための具体的な手法を解説しました。

重要なポイントを振り返りましょう。

まず、現代の広報は、広告で一方的に売り込むのではなく、価値ある情報を提供してお客様から「見つけてもらう」ことが主流です。

皆様が持つ専門知識や経験そのものが、会社の価値を伝える最強のコンテンツとなります。

次に、その価値を的確に届けるためには、お客様の視点に立った戦略的な計画が不可欠です。

お客様が抱える課題を「キーワード」として捉え、その答えとなる質の高いブログ記事を作成し、SNSの拡散力を活かして届ける。

この「ブログをハブ、SNSをスポーク」とする連携モデルが、持続可能な集客の仕組みを構築します。

情報発信は、一度やれば終わりではありません。

成果をデータで測定し、改善を繰り返すことで、その精度は着実に高まっていきます。

難しく考える必要はありません。

まずは、貴社が最も得意とする技術や、お客様からよく受ける質問について、ブログ記事を1本書いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

その一歩が、未来の素晴らしいプロジェクトとの出会いに繋がるはずです。

「モクプロ」は、木造化・木質化に挑戦する皆様の、プロフェッショナルとしての歩みを応援しています。

ハウス・ベース株式会社の木造化・木質化支援

非住宅用途の建築物で、木造化・木質化の更なる普及が期待されています。

諸問題を解決して、木造化・木質化を実現するには、「木が得意な実務者メンバー」による仕事が必要不可欠です。

木造非住宅ソリューションズでは、発注者の課題に対して、最適な支援をご提案します。

ハウス・ベース株式会社は、建築分野の木造化・木質化を支援するサービスである「木造非住宅ソリューションズ」を展開しています。

「木造非住宅ソリューションズ」とは、脱炭素社会実現に向けて、建築物の木造化・木質化に関する課題解決に貢献するための実務支援チームです。

◾️テーマ:「(木造化+木質化)✖️α」→木造化・木質化を追求し、更なる付加価値を創出

◾️活動の主旨:木に不慣れな人・会社を、木が得意な人・会社が支援する仕組みの構築

【主なサービス内容】

◾️広報支援:コンテンツマーケティング、WEBサイト制作、コンテンツ制作等

◾️設計支援 :設計者紹介、計画・設計サポート、設計・申請補助等

◾️実務支援 :木構造支援、施工者紹介、講師等

木造化・木質化で専門家の知見が必要な場合は、ぜひハウス・ベース株式会社までお気軽にお問合せください。

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著者

一級建築士。群馬県出身。芝浦工業大学卒業後、設計事務所・工務店・木構造材メーカー勤務を経て、2015年にハウス・ベース株式会社を起業。事業内容:住宅・建築関連の業務支援。特に非住宅用途の木造化・木質化支援(広報支援・設計支援・実務支援)に注力。木造非住宅オウンドメディア「モクプロ」を運営。

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