【広報支援】 木造非住宅の受注を増やす広報・PR戦略

【広報支援】 木造非住宅の受注を増やす広報・PR戦略

「優れた木造非住宅を設計・施工する技術力はあるのに、なかなか問い合わせや受注に繋がらない」

「木造建築の価値や魅力が、お客様にうまく伝わっていない気がする」

「競合他社との価格競争に巻き込まれ、疲弊している」

建材メーカー、工務店・建設会社、設計事務所の皆様の中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

脱炭素社会の実現に向けた動きが加速する中、木造非住宅市場は大きな成長期を迎えています 。

法律の後押しや環境意識の高まりから、これまで鉄骨造やRC造が主流だった建築物にも、木造化・木質化の波が押し寄せています 。

これは、専門的な技術を持つ皆様にとって、またとないビジネスチャンスです。  

しかし、どれだけ優れた建築物を生み出しても、その価値が正しく伝わらなければ、受注という結果には結びつきません。

市場が拡大している今だからこそ、戦略的な「広報・PR」活動が不可欠です。

この記事では、単なる情報発信に留まらず、「木造非住宅の専門家」としてのブランドを確立し、見込み客から選ばれる存在になるための具体的な広報・PR戦略を、ウェブサイトやSNSの活用法を交えながら分かりやすく解説します。

この記事を読めば、明日から実践できるブランディングの第一歩が見つかるはずです。

INDEX

なぜ今、木造非住宅の広報・PRが重要なのか?

なぜ今、木造非住宅の広報・PRが重要なのか?

木造非住宅の市場は、今まさに大きな変革期を迎えています。

2021年に改正された「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」により、これまで公共建築物が中心だった木材利用の促進が、民間建築物にも拡大されました 。

これにより、オフィスビルや商業施設、倉庫など、様々な用途で木造建築への関心が高まっています。

実際に、国内の非住宅木造市場は2030年度には1兆円を超える規模に拡大すると予測されており 、これは皆様にとって無視できない巨大なマーケットです。

しかし、このチャンスを掴むためには、ただ待っているだけではいけません。積極的に自社の価値を発信し、市場での存在感を高める広報・PR戦略が、企業の未来を左右する鍵となるのです。  

拡大する市場と大きなビジネスチャンス

木造非住宅市場の成長は、単なる期待感だけではありません。

具体的な数字がその可能性を力強く示しています。

矢野経済研究所の調査によると、国内の非住宅木造市場は、2030年度には工事費予定額ベースで1兆円を超えると予測されています 。

これは2023年度と比較して約30%も増加する計算となり、市場が急速に拡大していることが分かります。

この成長を支えているのは、法整備だけではありません。

環境問題への意識の高まりから、企業がESG(環境・社会・ガバナンス)経営を重視するようになったことも大きな要因です 。

木造建築は、建設時のCO2排出量が少なく、木材そのものが炭素を貯蔵するため、「環境に配慮した企業」としての姿勢をアピールする絶好の手段となります 。

これまで鉄骨造やRC造が当たり前だった倉庫、店舗、事務所といった建築物が、次々と木造化の検討対象となっています。

これは、住宅建築で培った技術を持つ工務店や、木構造に強みを持つ設計事務所、そして高性能な木質建材を供給するメーカーにとって、新たな収益の柱を築く絶好の機会と言えるでしょう。  

「木造の専門家」が不在の今が好機

これだけ市場が拡大しているにもかかわらず、日本の非住宅建築における木造率は、2023年時点でわずか5.8%に過ぎません 。

これは、市場にまだ絶対的なリーダー、つまり誰もが認める「木造非住宅の専門家」が存在しないことを意味します。

多くの施主やデベロッパーは、「木造で非住宅を建てたいが、誰に相談すればいいのか分からない」という状況にあるのです。

これは、裏を返せば、今から戦略的に情報発信を行い、専門性をアピールすることで、そのカテゴリーの第一人者になれる可能性が十分にあるということです 。

競合が少ない「ブルーオーシャン」である今のうちに、「木造非住宅といえば、あの会社だ」と最初に名前が挙がるようなポジションを確立することができれば、その後のビジネス展開は非常に有利になります。

実績をウェブサイトやSNSで丁寧に発信し、木造建築に関する有益な情報を提供し続けることで、徐々に専門家としての信頼が醸成されます。

先行してブランドを確立することで、後から参入してくる競合他社に対して大きなアドバンテージを築くことができるのです。  

価格競争から抜け出すためのブランディング

「どうしても最後は価格で比較されてしまう」

これは多くの企業が抱える悩みではないでしょうか。

特に新しい市場では、他社との違いが伝わりにくく、価格競争に陥りがちです。

しかし、広報・PRを通じてしっかりとしたブランディングを行うことで、この負のスパイラルから抜け出すことができます 。

ブランディングとは、単に会社の名前を売ることではありません。

「なぜ、この重要なプロジェクトを貴社に任せるべきなのか」

という問いに対して、明確な答えを提示し、価格以外の価値、例えば

「卓越した技術力」

「デザイン性の高さ」

「環境への深い知見」

「プロジェクトを成功に導く信頼性」

などを顧客に認識してもらう活動です。

しっかりとしたブランドが確立されれば、顧客は「多少高くても、この会社になら安心して任せられる」と考えるようになります。

つまり、技術や品質といった「価値」で選ばれるようになるのです。

これにより、適正な利益を確保できるだけでなく、社員のモチベーション向上にも繋がります。

広報・PRは、目先の受注を増やすだけでなく、会社の未来を創るための重要な投資なのです。  

広報の第一歩!「専門家」としてのブランドを確立する

広報の第一歩!「専門家」としてのブランドを確立する

木造非住宅市場で選ばれる存在になるためには、「建設会社」や「設計事務所」といった一般的な括りから一歩抜け出し、「木造非住宅の専門家」としての独自のブランドを確立することが不可欠です。

ブランドとは、お客様が抱く信頼や期待の証です。

価格競争に陥らず、自社の価値を正しく評価してもらうためには、まず自分たちが「何者」で、「どのような価値を提供できるのか」を明確に定義し、それを一貫したメッセージとビジュアルで伝え続ける必要があります。

この章では、そのブランド構築の基礎となる3つのステップを、具体的な事例を交えながら分かりやすく解説していきます。

ここが、全ての広報・PR活動の土台となる最も重要な部分です。

自社の「強み」と「想い」を言語化する

ブランディングの最初のステップは、自社の内面を深く掘り下げることから始まります。

まず問うべきなのは、「なぜ、私たちは木で建てるのか?」という根源的な問いです 。

それは、環境問題への貢献でしょうか?

それとも、木の持つ温もりや美しさを通じて、人々の心を豊かにしたいという想いでしょうか?

この「Why(なぜ)」こそが、ブランドの核となるコンセプトであり、他社には真似できない独自の物語の源泉となります。

次に、自社の「How(どのように)」と「What(何を)」を整理します。

例えば、「地元産の木材だけを使い、伝統的な工法で建てる(How)」、

「大規模な木造建築を実現する最先端のCLT技術を持っている(What)」

など、具体的な強みや特徴を洗い出しましょう。

この時、「高品質」や「安全」といったありきたりな言葉ではなく、

「プレファブ化で工期を30%短縮」

「西川材のみを使用する」

のように、具体的で検証可能な言葉で表現することが重要です。

経営陣だけでなく、現場で働く社員にもヒアリングを行い、会社全体で共有できる「自分たちらしさ」を見つけ出すことが、共感を呼ぶブランド作りの第一歩です。  

ターゲットに響くメッセージの作り方

ブランドの核となるコンセプトが固まったら、次にそれを「誰に」「どのように伝えるか」を考えます。

ターゲットは大きく分けて「施主・クライアント」と「設計者・建築家」の2つが考えられますが、それぞれ求める情報や価値観は異なります。

例えば、事業主であるクライアントに対しては、経済的なメリットを訴求することが有効です。

「木造は減価償却期間が22年と短く、初期投資の節税効果が高い」、

「断熱性が高いため、建物の光熱費を削減できる」

といった具体的な数字を交えたメッセージは、彼らの意思決定に強く影響します。

また、「ESG投資やSDGsへの貢献をアピールでき、企業価値が向上する」 という視点も重要です。

一方、設計者や建築家に対しては、デザインの自由度や技術的な魅力を伝えることが効果的です。

「集成材やCLTを使えば、鉄骨造のような無柱の大空間も実現可能」、

「BIMを活用した精密な構造設計で、複雑なデザインにも対応できる」

といったメッセージは、彼らの創造性を刺激するでしょう。

ターゲットに合わせてメッセージを最適化することで、情報がより深く、的確に届くようになります。  

統一感のあるビジュアルで信頼感を演出

言葉で作り上げたブランドメッセージを、視覚的に補強するのがビジュアルアイデンティティです。

ロゴマーク、ウェブサイトのデザイン、パンフレット、名刺、さらには現場の仮囲いや作業着に至るまで、お客様が目にするもの全てに統一感を持たせることで、ブランドイメージはより強固になります 。

例えば、サステナビリティを重視するブランドであれば、アースカラーを基調とし、自然光や木の質感を活かした温かみのある写真を使うことで、その価値観を直感的に伝えることができます。

一方で、最先端のエンジニアリング技術を強みとするなら、シャープでモダンなフォントを使い、洗練されたテクニカルな図面をデザインに取り入れることで、革新的なイメージを演出できるでしょう。

重要なのは、これらのビジュアル要素が、先に定義したブランドの核となる「想い」や「強み」と一致していることです。

一貫したビジュアルは、プロフェッショナルとしての信頼性を高め、お客様に安心感を与えます。

デザインは単なる飾りではなく、ブランドの価値を無言で語る強力なコミュニケーションツールなのです。  

見込み客が集まる!ウェブサイト(オウンドメディア)活用術

見込み客が集まる!ウェブサイト(オウンドメディア)活用術

現代の広報戦略において、ウェブサイトは単なるデジタル上の会社案内ではありません。

それは、24時間365日働き続ける「営業担当」であり、自社の専門知識を発信する「メディア」であり、そして見込み客との最初の重要な接点となる「信頼の入り口」です 。

特に、木造非住宅のような専門性が高く、検討期間が長い分野では、お客様は契約前に必ずウェブサイトを訪れ、その会社が本当に信頼できるのかをじっくりと吟味します。

この章では、ただ存在するだけのウェブサイトから脱却し、見込み客を引きつけ、信頼を育み、最終的に問い合わせへと繋げるための「生きたウェブサイト」の作り方を具体的に解説します。  

信頼を勝ち取るために必須のコンテンツとは?

見込み客がウェブサイトを訪れた時、まず確認するのは「この会社は信頼できるか?」という点です。

その信頼を構築するために、最低限揃えておくべき必須コンテンツがいくつかあります。

まず、「企業理念・ビジョン」です。

なぜこの事業を行っているのか、どんな未来を目指しているのかという会社の「想い」を伝えることで、共感を呼び、信頼の土台を築きます 。

次に、「詳細なサービス内容」。

CLT建築、耐火設計、BIM活用など、自社が持つ専門的な技術や対応可能な業務範囲を具体的に示すことで、プロフェッショナルとしての実力を証明します 。

そして、「会社情報」と「スタッフ紹介」。

どんな会社で、どんな専門家が在籍しているのかを顔写真付きで紹介することで、安心感を与え、ブランドに人間味を加えます 。

最後に、非常に強力なのが「お客様の声」です。

実際にサービスを利用したクライアントからの推薦文は、何よりもの信頼の証となります 。

これらの基本コンテンツを丁寧に作り込むことが、ウェブサイトを単なる情報置き場から、信頼を勝ち取るための強力なツールへと進化させる第一歩です。  

専門性をアピールする施工事例と技術コラム

ウェブサイトの中でも、特に「木造非住宅の専門家」としての実力を示す上で最も重要なのが「施工事例(ポートフォリオ)」です。

美しい完成写真だけを並べるだけでは不十分です。一つひとつのプロジェクトを、 物語として語りましょう。

具体的には、

「お客様が抱えていた課題は何か」

「その課題に対し、木造建築という手法でどのように解決策を提案したのか」

「その結果、工期短縮やコスト削減、利用者の満足度向上といった、どのような成果が得られたのか」

という構成で詳しく解説します 。

これにより、単なる実績紹介ではなく、貴社の問題解決能力を証明することができます。

さらに、専門性をより深くアピールするために有効なのが、「技術コラム」や「ブログ」といったコンテンツです 。

例えば、

「木造建築の耐火性は本当に大丈夫?最新技術を解説」

「設計者が知っておくべきCLTの基礎知識」

といったテーマで、専門的な知見を発信します。

これは、お客様が抱える不安や疑問に先回りして応えることで、深い信頼関係を築くと同時に、SEO対策としても非常に効果的です。  

問い合わせに繋げるためのサイト設計のポイント

有益なコンテンツを揃えても、ウェブサイトの設計が分かりにくければ、訪問者は途中で離脱してしまい、問い合わせには繋がりません。

訪問者をスムーズにゴールへ導くためのサイト設計には、3つの重要なポイントがあります。

1つ目は「分かりやすいナビゲーション」です。

訪問者が誰なのか(例:「施主・事業主の方へ」「設計事務所の方へ」)を想定し、それぞれが必要な情報に迷わずたどり着けるようなメニュー構成を考えましょう 。

2つ目は「明確な行動喚起(CTA:Call To Action)」です。

各ページの最後に、

「詳しい資料をダウンロードする」

「施工事例集を請求する」

「無料相談会に申し込む」

など、訪問者に次に起こしてほしい行動を具体的に、そして分かりやすく提示します 。

これにより、訪問者は次の一歩を踏み出しやすくなります。

3つ目は「SEO(検索エンジン最適化)を意識すること」です。

「木造 倉庫」「CLT オフィス」など、見込み客が検索しそうなキーワードをページのタイトルや見出しに適切に含めることで、検索結果からの流入を増やし、より多くの潜在顧客にアプローチすることが可能になります 。  

SNSを使い分け、ファンを増やす情報発信

SNSを使い分け、ファンを増やす情報発信

ウェブサイトが広報戦略の「本拠地」だとすれば、ソーシャルメディア(SNS)は、その価値をより多くの人に届け、未来のお客様やパートナーとの出会いを生み出す「最前線」です。

BtoB、特に建築業界においてSNSは、単に流行を追うためのツールではありません。

自社のブランドイメージを構築し、専門家としての認知度を高め、さらには採用活動にも繋がる強力な武器となり得ます 。

ただし、やみくもに投稿しても効果は期待できません。

大切なのは、各SNSの特性を理解し、自社の目的とターゲットに合わせて戦略的に使い分けることです。

この章では、主要なSNSプラットフォーム別に、木造非住宅の魅力を最大限に伝えるための具体的な活用術をご紹介します。  

【Instagram】ビジュアルで魅せる建築の世界観

建築という「見た目」が非常に重要な分野において、写真や動画が主役のInstagramは最も相性の良いSNSの一つです。

木造建築の温かみ、構造の美しさ、ディテールの精巧さなどを、高品質なビジュアルで直感的に伝えることができます 。

効果的な活用法としては、まず「施工事例の紹介」が挙げられます。

完成写真だけでなく、建設中の精密な作業風景や、木材が組み上がっていく様子を投稿することで、技術力の高さをアピールできます。

特に、短い動画で空間を体験できる「リール」機能を使って、完成した建物のルームツアーを公開するのは非常に効果的です 。

また、普段は見ることのできない職人の手仕事や、チームの和やかな雰囲気を「ストーリーズ」で発信すれば、親近感が湧き、会社のファンを増やすことに繋がります。

ハッシュタグの活用も重要です。

「#木造非住宅」「#CLT建築」といった専門的なタグと、「#(地域名)工務店」「#(自社名)プロジェクト」といった独自のタグを組み合わせることで、情報を届けたいターゲットに効率的にリーチすることができます 。  

【LinkedIn/Facebook】BtoBで繋がる専門家ネットワーク

Instagramが幅広い層への魅力発信に向いているのに対し、LinkedInやFacebookは、よりビジネスに特化したコミュニケーションに適したプラットフォームです。

特にLinkedInは、企業の意思決定者や設計者、技術者など、特定の専門職のユーザーが多く利用しているため、BtoBのネットワーク構築に最適です 。

活用法としては、自社のウェブサイトで公開した技術コラムや詳細なプロジェクト事例を共有し、専門家としての知見(ソートリーダーシップ)を発信することが有効です。

また、業界の最新トレンドに関する考察や、法改正についての解説などを投稿することで、業界内での信頼性と影響力を高めることができます。

経営者や主要な技術者が個人のアカウントで積極的に情報発信し、業界の専門家と繋がることも重要です。

これにより、企業としての公式な発信だけでは届かない、より深いレベルでの関係構築が可能になります 。

Facebookは、地域社会との繋がりを意識した情報発信や、イベントの告知、採用活動など、より幅広いコミュニケーションに活用できるでしょう。  

【YouTube】動画で伝える技術力と現場のリアル

写真や短い文章だけでは伝えきれない、より複雑で深い情報を発信するのに最適なのがYouTubeです 。

動画は、木造建築のプロセスや技術的な優位性を、最もリアルかつ分かりやすく伝えることができるフォーマットです。

例えば、プロジェクトの着工から完成までを記録した「タイムラプス動画」は、建築物が出来上がっていくダイナミックな過程を見せることができ、非常に人気があります。

また、「耐火実験の様子」や「特殊な接合部の組み立て方」といった技術的な解説動画は、専門家としての信頼性を裏付ける強力な証拠となります。

さらに、施主や設計者にインタビューを行い、「なぜ木造を選んだのか」「実際に建ててみてどうだったか」といった生の声を届けるコンテンツも、見込み客の不安を解消し、意思決定を後押しする上で非常に効果的です。

作成した動画は、ウェブサイトの施工事例ページに埋め込んだり、他のSNSで短いバージョンを共有したりすることで、一つのコンテンツを多角的に活用することができます。手間はかかりますが、その分、深い信頼を構築できる強力なツールです。  

広報活動を加速させる外部リソースの活用法

広報活動を加速させる外部リソースの活用法

ここまで広報・PRの具体的な手法について解説してきましたが、「重要性は分かったけれど、実行するための人手や時間、ノウハウがない」と感じている方も少なくないでしょう。

特に専門性の高い建築業界では、建築の知識とマーケティングの知識の両方を兼ね備えた人材を見つけるのは容易ではありません 。

しかし、リソース不足を理由に広報活動を諦める必要はありません。

そんな時に力強い味方となるのが、外部の専門家の支援です。

自社にないスキルやリソースを外部パートナーに補ってもらうことで、広報・PR活動を一気に加速させることが可能です。

この章では、外部リソースを賢く活用し、最小限の負担で最大限の成果を出すための考え方について解説します。  

自社だけでは難しい?広報活動のよくある課題

広報活動を自社だけで進めようとすると、いくつかの共通した壁にぶつかりがちです。

最も多いのが「リソース不足」です。

日々の設計業務や現場管理に追われ、広報活動にまで手が回らない、というケースは非常に多いでしょう。

専任の広報担当者がいない場合、どうしても後回しになり、ウェブサイトの更新が止まったり、SNSの投稿が途絶えたりしてしまいます。

次に挙げられるのが「専門知識の不足」です。

建築のプロであっても、SEO対策やSNSのアルゴリズム、効果的な広告運用といったデジタルマーケティングの知識を持っているとは限りません。

何から手をつけて良いか分からず、時間だけが過ぎてしまうことも少なくありません。

さらに、「客観的な視点の欠如」も課題です。

自社のこととなると、どうしても伝えたいことが多くなり、専門的すぎる内容になったり、お客様が本当に知りたい情報からズレてしまったりすることがあります。

これらの課題は、企業の大小を問わず多くの会社が直面するものであり、決して特別なことではありません。

専門家の支援で得られる3つのメリット

これらの課題を解決する有効な手段が、外部の専門家、特に建築業界に特化した広報支援サービスを活用することです。

専門家の支援を受けることには、大きく3つのメリットがあります。

1つ目は「戦略的なプランニング」です。

専門家は、多くの企業の事例を見ているため、貴社の現状や目標に合わせて、どのようなターゲットに、どの媒体で、どんなメッセージを伝えれば最も効果的か、という戦略全体を設計してくれます。

これにより、手探りで進める無駄がなくなり、最短距離で成果を目指せます。

2つ目は「高品質なコンテンツ制作」です。

建築の専門知識を持ったライターやデザイナーが、技術的に正しく、かつターゲットに響く魅力的なウェブサイトの記事やSNSの投稿、パンフレットなどを制作してくれます 。

これにより、社内スタッフの負担を大幅に軽減できます。

3つ目は「継続的な運用と改善」です。

広報活動は一度行ったら終わりではありません。

専門家は、公開したコンテンツの効果をデータで分析し、継続的に改善を繰り返すことで、成果を最大化してくれます。  

ハウス・ベースの広報支援で解決できること

「モクプロ」を運営する私たちハウス・ベース株式会社も、皆様のような建築実務者の挑戦をサポートするための広報支援サービス(コンテンツマーケティング)を提供しています 。

私たちの最大の強みは、一級建築士をはじめとする、住宅・建築分野の実務経験者がコンテンツの企画・制作に携わっている点です 。

そのため、一般的なマーケティング会社では難しい、専門的で信頼性の高い情報発信が可能です。

具体的には、皆様の強みや想いをヒアリングし、ブランドコンセプトの策定からサポートします。

その上で、SEO対策を施したウェブサイトの制作、専門性を伝える技術コラムや施工事例記事の作成、SNSアカウントの運用代行、効果的なウェブ広告の運用まで、広報・PR活動をトータルでご支援します 。

「広報に詳しい人材がいない」

「何から始めればいいか分からない」

といった課題に対し、私たちは皆様のチームの一員として伴走し、木造非住宅の専門家としてのブランド価値を高め、未来の受注に繋がる仕組み作りをお手伝いします。  

まとめ

まとめ 広報支援 木造非住宅 非住宅木造

今回は、成長著しい木造非住宅市場で勝ち抜くための広報・PR戦略について、具体的なステップに沿って解説しました。

重要なポイントを改めて振り返ってみましょう。

まず、市場が拡大している今こそ、自社の「専門性」を明確にし、価格以外の価値で選ばれるための「ブランディング」が不可欠であること。

そのためには、自社の「想い」と「強み」を言語化し、ターゲットに響く一貫したメッセージとビジュアルで発信し続けることが重要です。

その上で、ウェブサイトを情報発信の「本拠地」と位置づけ、信頼を勝ち取るためのコンテンツ、特にストーリー性のある施工事例や専門的な技術コラムを充実させましょう。

そして、InstagramやLinkedInといったSNSを「最前線」として活用し、それぞれの特性に合わせて情報発信することで、未来のお客様やパートナーとの新たな接点を創出できます。

これらの活動は、一朝一夕で成果が出るものではありません。

しかし、優れた建築物を生み出すのと同じように、一つひとつの情報発信を丁寧に積み重ねていくことで、やがて「木造非住宅なら、あの会社に」と指名されるような、揺るぎない信頼とブランドが築かれていきます。

もし、自社だけでの実践に難しさを感じたら、私たちハウス・ベースのような専門家の力を借りることも有効な選択肢です。この記事が、皆様の挑戦を成功へと導く一助となれば幸いです。

ハウス・ベース株式会社の木造化・木質化支援

非住宅用途の建築物で、木造化・木質化の更なる普及が期待されています。

諸問題を解決して、木造化・木質化を実現するには、「木が得意な実務者メンバー」による仕事が必要不可欠です。

木造非住宅ソリューションズでは、発注者の課題に対して、最適な支援をご提案します。

ハウス・ベース株式会社は、建築分野の木造化・木質化を支援するサービスである「木造非住宅ソリューションズ」を展開しています。

「木造非住宅ソリューションズ」とは、脱炭素社会実現に向けて、建築物の木造化・木質化に関する課題解決に貢献するための実務支援チームです。

◾️テーマ:「(木造化+木質化)✖️α」→木造化・木質化を追求し、更なる付加価値を創出

◾️活動の主旨:木に不慣れな人・会社を、木が得意な人・会社が支援する仕組みの構築

【主なサービス内容】

◾️広報支援:コンテンツマーケティング、WEBサイト制作、コンテンツ制作等

◾️設計支援 :設計者紹介、計画・設計サポート、設計・申請補助等

◾️実務支援 :木構造支援、施工者紹介、講師等

木造化・木質化で専門家の知見が必要な場合は、ぜひハウス・ベース株式会社までお気軽にお問合せください。

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著者

一級建築士。群馬県出身。芝浦工業大学卒業後、設計事務所・工務店・木構造材メーカー勤務を経て、2015年にハウス・ベース株式会社を起業。事業内容:住宅・建築関連の業務支援。特に非住宅用途の木造化・木質化支援(広報支援・設計支援・実務支援)に注力。木造非住宅オウンドメディア「モクプロ」を運営。

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