【木材】ウッドショック後の木材価格と供給動向|安定調達へのガイド

【木材】ウッドショック後の木材価格と供給動向|安定調達へのガイド

2021年に建設・建築業界を震撼させた「ウッドショック」。

木材価格の歴史的な高騰と深刻な供給不足は、多くの事業者の頭を悩ませ、プロジェクトの進行に大きな影響を与えました。

あれから数年が経過した今、

「ウッドショックはもう終わったのだろうか?」

「木材価格は元に戻ったのか?」

といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

特に、これから非住宅の木造化・木質化プロジェクトを計画している設計事務所、工務店、建設会社の皆様にとって、木材の価格と供給の安定性は、事業の根幹を揺るがす死活問題です。

結論から言えば、ウッドショックは単なる一時的な混乱ではなく、世界の木材供給網と価格形成のあり方を恒久的に変えてしまいました。

私たちは今、価格変動が激しく、供給リスクが常に存在する「新たな時代」に立っています。

この記事では、ウッドショック後の木材供給と価格動向の「今」を徹底的に分析し、今後の非住宅木造化プロジェクトを成功に導くための、安定的かつ戦略的な木材調達のポイントを分かりやすく解説します。

先の見えない時代だからこそ、確かな知識(ナレッジ)を武器に、未来のリスクに備えましょう。


INDEX

そもそもウッドショックとは? なぜ起きたのかを振り返る

そもそもウッドショックとは? なぜ起きたのかを振り返る

ウッドショック後の現状を正しく理解するためには、まず、なぜあの未曾有の事態が発生したのかを正確に把握しておくことが不可欠です。

2021年のウッドショックは、過去のそれとは異なり、複数の要因が複雑に絡み合った「複合危機」でした。

その構造を分解し、日本が直面した厳しい現実を振り返ることで、今後の対策を考える上での重要な教訓が見えてきます。

ここでは、ウッドショック発生のメカニズムと、それが日本の建設業界に与えた具体的な影響について、改めて整理していきましょう。

世界を揺るがした「パーフェクト・ストーム」の正体

2021年のウッドショックは、需要、供給、物流の3つの側面で、前例のない問題が同時に発生した「パーフェクト・ストーム」でした 。

まず需要面では、新型コロナウイルスのパンデミックを背景に、アメリカで歴史的な住宅ブームが巻き起こりました 。

リモートワークの普及で郊外の一戸建て住宅への需要が爆発し、政府の金融緩和策も相まって、世界の木材が北米市場に吸い寄せられていったのです 。

一方で供給面は、パンデミックによるロックダウンで製材工場の稼働率が低下し、林業の現場でも人手不足が深刻化しました 。

さらに、この極端な需給のアンバランスを決定的なものにしたのが、世界的な物流網の麻痺です。

「巣ごもり需要」でコンテナ輸送が急増し、港湾機能が低下したことで、世界中でコンテナ不足と海上運賃の記録的な高騰が発生 。

木材のように大きくてかさばる商品は、この物流危機の影響を最も受けやすく、たとえ製品があっても日本へ運べない、あるいは運賃が法外に高くなるという事態に陥りました。

このように、複数の危機が連鎖し、互いに影響を増幅させ合ったことが、今回のウッドショックの本質なです。  

日本が直面した「買い負け」という現実

この世界的な木材争奪戦の中で、日本は厳しい現実に直面しました。

それが「買い負け」です。

長年のデフレ経済に慣れた日本のバイヤーは、好景気に沸くアメリカや、旺盛な需要を持つ中国が提示する高い木材価格に追随することができませんでした 。

世界の木材市場が、より高く買ってくれる国を優先する「売り手市場」へと急激にシフトする中で、日本の購買力は相対的に低下し、価格競争で敗れてしまったのです。

さらに、日本市場は品質への要求水準が高く、寸法体系も特殊であるため、輸出国から見れば「手間のかかる取引先」と見なされがちでした 。

供給量が限られる中、売り手である海外のサプライヤーが、より高く、より簡単に売れるアメリカや中国市場への供給を優先したのは、ある意味で当然の選択でした。

この「買い負け」という事態は、日本の経済的な地位の相対的な低下と、長年続いてきた安価な輸入材への過度な依存という、日本の木材調達が抱える構造的な弱点を白日の下に晒すことになったのです。  

住宅・建設業界に広がった混乱と影響

世界的な木材不足と日本の買い負けは、国内の住宅・建設業界に深刻な影響を及ぼしました。

まず、輸入材の価格が急騰し、例えば米材はわずか9ヶ月で2.75倍にも跳ね上がりました 。

この影響はすぐに国産材にも波及し、輸入材の代替需要が殺到したことで、国産材の価格も高騰し、品薄状態となりました 。

建設現場では、木材が手に入らないことによる工期の遅延が常態化し、全国の工務店の9割以上が供給遅延の影響を受けたと報告されています 。

プロジェクトによっては着工の目処が立たず、契約後に施主へ追加の費用負担をお願いせざるを得ないケースや、最悪の場合、契約解除に至る事態も発生しました 。

このように、ウッドショックは単なる資材価格の問題に留まらず、企業の資金繰りや事業計画そのものを脅かし、住宅・建設市場全体を大きな不確実性で覆う深刻な事態へと発展したのです。  


【2025年最新】ウッドショック後の木材価格はどうなった?

【2025年最新】ウッドショック後の木材価格はどうなった?

ウッドショックの嵐が過ぎ去った今、建築実務者の皆様が最も気になるのは「現在の木材価格」ではないでしょうか。

結論から言うと、価格はピーク時に比べれば落ち着きを取り戻したものの、ウッドショック以前の安価な水準に戻ることはなく、一段高いレベルで推移する「新たな常態(ニューノーマル)」に移行したと見るべきです。

この背景には、一過性ではない構造的な要因が存在します。

ここでは、輸入材と国産材それぞれの最新の価格動向と、なぜ価格が元に戻らないのか、その理由を詳しく解説していきます。

高止まりが続く輸入材の価格動向と円安の影響

輸入材の価格は、2021年のピークを過ぎて下落したものの、依然としてウッドショック以前より高い水準で推移しています 。

その最大の要因は、記録的な「円安」の進行です 。

海外の木材価格が同じであっても、円安が進めば日本円での仕入れ価格は自動的に上昇してしまいます。

これが、輸入材価格を構造的に押し上げる最も大きな圧力となっています。

加えて、原油価格の上昇に伴うエネルギーコストや物流コストの高騰も、価格に上乗せされています。

木材を乾燥させる工程や、日本までの海上輸送には多くのエネルギーが必要であり、これらのコストが製品価格に転嫁されているのです。

さらに、世界的に脱炭素化への関心が高まる中で、環境に優しい建材としての木材への需要は底堅く、これも価格を下支えする要因となっています 。

これらの構造的な要因から、かつてのような「安い輸入材」の時代は終わりを迎えたと考えるのが現実的です。  

国産材の価格は二極化?山元と製品価格のギャップ

国産材の価格動向は、輸入材とは少し異なる複雑な様相を見せています。

注目すべきは、山から伐り出されたままの「丸太」の価格と、実際に建築で使われる「製品」の価格が、全く違う動きをしている点です。

具体的には、スギなどの山元立木価格(森林所有者が受け取る価格)は、ウッドショックで一時的に上昇した後、再び低い水準で低迷しています 。

つまり、山の木そのものの価値は、依然として安いままなのです。

その一方で、柱や梁などの建築用「木材製品」の価格は、高止まりを続けています 。

この「川上(丸太)は安いのに、川下(製品)は高い」という二極化は、日本の林業が抱える構造的な課題を象徴しています。

丸太を製品にするまでの輸送費、製材加工費、そして特にコストのかかる人工乾燥費などが製品価格を押し上げているのです。

この「川中」のコスト構造が、国産材製品の価格が高止まりする大きな要因となっています。  

なぜ価格は元に戻らない?「新たな常態」を理解する

ここまで見てきたように、輸入材は「円安と世界的なコスト高」、国産材は「国内の加工・流通コスト」という、それぞれが構造的な価格上昇要因を抱えています。

これが、木材価格がウッドショック以前の水準には戻らない根本的な理由です。

さらに、2025年度から省エネ基準への適合が住宅に義務化されるなど、より高性能な建材への需要が高まることも、木材需要全体を下支えし、価格が下がりにくい要因になると考えられます 。

私たち建築実務者は、木材価格が「一段高い水準で、かつ変動しやすい」という状況を「新たな常態」として受け入れ、これを前提とした見積もりや資金計画、事業戦略を立てていく必要があります。

過去の価格感覚にとらわれることなく、現在の市場環境を正確に認識することが、これからのビジネス成功の第一歩となるでしょう。  


木材の供給網はどう変わった?グローバルな変化とリスク

木材の供給網はどう変わった?グローバルな変化とリスク

ウッドショックは、木材価格だけでなく、世界の木材がどこから来て、どのように流れるのかという「サプライチェーン」そのものを大きく変えました。

かつてのように、特定の国からの安定供給を前提とした調達は、もはや成り立ちません。

地政学的なリスクや、新たな供給国の台頭など、私たちはより複雑で変化の速いグローバル環境に適応していく必要があります。

ここでは、ウッドショックと、その後のウクライナ情勢などが、世界の木材貿易にどのような変化をもたらしたのかを解説します。

ロシア産木材の禁輸措置が与えた限定的ながら深刻な影響

2022年のロシアによるウクライナ侵攻と、それに伴う経済制裁は、世界の木材供給に新たな不確実性をもたらしました。

日本の木材輸入全体に占めるロシアの割合は2〜3%程度と大きくはないため、全体量への直接的な影響は限定的でした 。

しかし、特定の品目においては、サプライチェーンに深刻な打撃を与えました。

最も影響が大きかったのが、合板やLVL(単板積層材)の原料となるカラマツなどの「単板(ベニヤ)」です。

日本が輸入する単板の約8割はロシア産に依存しており、この供給がストップしたことは、関連メーカーにとって死活問題となりました 。

代替の調達先をすぐに見つけることは非常に難しく、多くの企業が製品の仕様変更や生産調整を余儀なくされました。

この経験は、全体の輸入シェアだけでは見えてこないサプライチェーンの脆弱性を示しています。

代替が難しい特定の部材を、一つの国に依存することの危険性を、私たちは改めて認識させられたのです。  

サプライチェーンの再編とアジア諸国の台頭

ウッドショックとロシア要因を経て、日本の木材輸入元には大きな変化が見られます。

最新の貿易統計を見ると、かつての北米や欧州、ロシアといった主要供給国に代わり、ベトナムや中国、フィリピン、インドネシアといったアジア諸国が、輸入相手国の上位を占めるようになっています 。

これは、単に木材の仕入れ先を変えたという話ではありません。

北米などから原材料を輸入するだけでなく、アジア地域で合板や集成材、家具部材などに加工された、より付加価値の高い製品を調達する動きが加速しているのです。

この変化は、価格変動や物流の不安定性が高い長距離のサプライチェーンへの依存を減らし、より管理しやすく、地理的にも近いアジアからの調達を増やすという、企業のリスク分散戦略の表れと見ることができます。

世界の木材供給網は、より地域化・多極化した複雑なネットワークへと移行しつつあるのです。  

主要供給エリア(北米・欧州)の最新動向

アジア諸国の重要性が増す一方で、従来からの主要供給エリアである北米と欧州の動向も、引き続き注視していく必要があります。

北米(アメリカ・カナダ)市場は、米国の住宅着工件数や金融政策の動向に大きく左右されます 。

2021年のような異常な需要は落ち着きましたが、住宅ローン金利の変動が市場を不安定にさせており、価格の変動要因となっています。

また、米国の関税政策の動向も、日本向けの輸出価格に影響を与える不確定要素です 。

一方、フィンランドやスウェーデンなどの欧州諸国は、高品質な構造用集成材などの重要な供給元です 。

欧州は巨大な木材生産能力を持っていますが 、ウクライナ情勢に起因するエネルギー価格の高騰が生産コストを押し上げるなど、地政学的なリスクと常に隣接しています。

これらの主要供給エリアの動向を常に把握し、変化に迅速に対応できる体制を整えておくことが、安定調達の鍵となります。  


国産材活用の好機と課題|安定供給へのボトルネックは何か?

国産材活用の好機と課題|安定供給へのボトルネックは何か?

輸入材の価格高騰と供給不安をきっかけに、国内の豊富な森林資源、すなわち「国産材」に大きな注目が集まりました。

これは、長年輸入材に依存してきた日本の木材供給体制を見直し、国内林業を再興するまたとないチャンスです。

しかし、急激に高まった需要に対して、国内の供給体制はすぐには応えられませんでした。

そこには、日本の林業が長年抱えてきた根深い構造的な課題が存在します。

ここでは、国産材活用への期待と、その実現を阻むボトルネックについて解説します。

高まる国産材への期待とシフトの動き

ウッドショックによって輸入材の調達が困難になる中、多くの住宅メーカーや工務店は、事業を継続するために国産材の確保に奔走しました 。

これは、単にコストを比較して国産材を選んだというよりも、他に選択肢がなかったという側面が強い動きでした。

この流れは、政府が長年推進してきた「国産材利用」の目標を、市場の力によって強制的に後押しする形となりました。

林野庁も、川上から川下までの関係者を集めた協議会を開催するなど、需給のマッチングを支援しました 。

ウッドショックは、日本の木材自給率が緩やかな上昇を続ける中 、多くの建築実務者に国産材の価値を再認識させ、その利用を真剣に検討させる大きなきっかけとなったことは間違いありません。  

なぜ供給が追いつかない?林業が抱える構造的課題

しかし、この歴史的な国産材への需要の高まりに、国内の供給体制は十分に応えることができませんでした。

その背景には、いくつかの根深い課題があります。

第一に、林業従事者の高齢化と人手不足です 。

急に増産しようにも、木を伐採し、山から運び出す人材が絶対的に足りていないのです 。

第二に、加工インフラの不足、特に木材を乾燥させる「人工乾燥施設」の能力不足が深刻なボトルネックとなりました 。

現代の建築では品質が安定した乾燥材が不可欠ですが、これまで国産材の需要が低迷していたため、大規模な設備投資が進んでこなかったのです。

伐採した丸太があっても、それを製品化する過程で流れが滞ってしまいました。

さらに、過去に何度も輸入材との価格競争に敗れてきた経験から、林業・木材産業の事業者は設備投資に慎重にならざるを得ないという事情もあります 。

豊富な森林資源がありながら、それを市場が求める製品として安定的に供給する体制が整っていない。これが、国産材が抱える大きなジレンマなのです。  

非住宅木造化が拓く国産材の新たな可能性

こうした課題を乗り越え、国産材の利用を軌道に乗せるための鍵として期待されているのが、店舗や倉庫、オフィスといった「非住宅分野」での木造化・木質化です。

日本の人口が減少する中で、新設住宅着工戸数は長期的に減少が見込まれています。

住宅だけに頼っていては、国産材の安定した需要を確保することは難しくなります。

そこで、これまで鉄骨造やRC造が主流だった非住宅建築物で木材利用を推進することで、新たな大規模需要を創出しようという動きが活発化しています 。

非住宅分野では、大規模な空間を構成するために、強度や品質の安定した構造材が大量に必要となります。

こうした安定した需要が見込めるようになれば、林業・木材産業側も安心して設備投資に踏み切ることができ、供給体制の強化につながります。

非住宅の木造化は、日本の森林資源を有効活用し、国内の木材サプライチェーンを強くするための重要な戦略なのです。  


未来を見据えた木材調達戦略|非住宅木造化を成功させるために

未来を見据えた木材調達戦略|非住宅木造化を成功させるために

ウッドショックは、木材調達が単なるコスト管理ではなく、事業の継続性を左右する重要な経営戦略であることを私たちに突きつけました。

価格変動が大きく、供給が不安定な「新たな常態」を乗り切るためには、これまで通りのやり方では通用しません。

未来を予測し、リスクに能動的に対応する、強靭な調達戦略が不可欠です。

ここでは、非住宅の木造化・木質化プロジェクトを成功に導くために、企業が今すぐ取り組むべき実践的な調達戦略を3つのポイントに絞って提言します。

サプライチェーンの多角化でリスクを分散する

まず最も重要なのは、特定の国やサプライヤーに依存する体制から脱却し、調達先を多角化することです。

これは、地政学的な紛争や、特定の地域での自然災害、あるいは急な政策変更といった不測の事態が起きた際に、事業への影響を最小限に抑えるための保険となります。

具体的には、輸入相手国を北米、欧州、アジアなど複数の地域に分散させること。

さらに、同じ国内でも複数のサプライヤーと取引関係を築いておくことが有効です。

加えて、使用する樹種や、集成材、LVLといったエンジニアードウッドの活用など、材料レベルでの選択肢を広げておくことも重要です。

ある材料の供給が滞った際に、すぐに代替案に切り替えられる柔軟な設計・調達体制を構築しておくことが、これからの時代のリスク管理の基本となります。

製材工場との連携による国産材の戦略的活用

国産材の利用は、為替変動や国際情勢のリスクを回避できる有効な手段です。

しかし、単に輸入材の代替品として場当たり的に使うのではなく、事業戦略の柱として長期的な視点で活用することが成功の鍵となります。

そのためには、国内の製材工場や林業事業者との強固なパートナーシップを築くことが不可欠です。

例えば、年間を通じて安定した量を発注することを約束する代わりに、安定した品質と価格で供給してもらうといった長期契約を結ぶことが考えられます。

こうした取り組みは、製材工場側の安定経営につながり、乾燥機などの新たな設備投資を促すきっかけにもなります。

また、設計の初期段階から、国産材で供給しやすい標準的な寸法や仕様を取り入れることで、加工コストを抑え、国産材の価格競争力を高めることも可能です 。

川上から川下までが連携し、お互いのメリットを追求することが、国産材サプライチェーン全体の強化につながるのです。  

データで管理するサプライチェーン・マネジメント(SCM)の重要性

これからの木材調達は、過去の経験や勘だけに頼るのではなく、データを活用した科学的な管理、すなわちサプライチェーン・マネジメント(SCM)への転換が求められます。

SCMとは、木材の需要予測から発注、在庫管理、物流まで、サプライチェーン全体の流れを最適化し、効率性を高める経営手法です。

例えば、過去のデータや市場動向を分析して、より精度の高い需要予測を行うことで、過剰な在庫を抱えるリスクや、急な材料不足に陥るリスクを低減できます。

また、サプライヤーとリアルタイムで情報を共有するシステムを導入すれば、生産状況や納期を正確に把握し、より計画的なプロジェクト管理が可能になります。

日本木材総合情報センターなどがSCM支援システムの開発を進めているように 、業界全体でサプライチェーンの透明性と効率性を高めていくことが、ウッドショックのような危機に強い体制を構築するために不可欠です。  

まとめ  

まとめ 木造非住宅 ウッドショック

2021年のウッドショックは、一過性のパニックではなく、世界の木材市場の構造を根本から変える歴史的な転換点でした。

安価で安定した木材がいつでも手に入った時代は終わりを告げ、私たちは今、高い価格変動性と予測不能な供給リスクを前提とした事業運営を余儀なくされています。

本記事で解説したように、輸入材は円安や世界的なコスト高を背景に高止まりが続き、国産材も国内の加工・流通体制に課題を抱えています。

木材価格がウッドショック以前の水準に戻る可能性は極めて低いでしょう。

この「新たな常態」において、木材調達はもはや単なる購買業務ではありません。

サプライチェーンの多角化、国産材の戦略的活用、そしてデータに基づいたSCMの高度化といった、企業の競争力そのものを左右する経営戦略上の最重要課題となっています。

特に、これから非住宅の木造化・木質化という新たな挑戦に取り組む実務者の皆様にとって、変化に受け身で対応するのではなく、リスクを能動的に管理する強靭な調達戦略を構築することが、プロジェクト成功の絶対条件です。

ウッドショックが突きつけた厳しい現実は、同時に、日本の林業の構造改革を進め、持続可能で強靭な木材供給体制を再構築する絶好の機会でもあります。

私たち「モクプロ」は、これからも皆様の挑戦に寄り添い、成功へと導くための確かな「ナレッジ」を提供してまいります。

ハウス・ベース株式会社の木造化・木質化支援

非住宅用途の建築物で、木造化・木質化の更なる普及が期待されています。

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◾️テーマ:「(木造化+木質化)✖️α」→木造化・木質化を追求し、更なる付加価値を創出

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著者

一級建築士。群馬県出身。芝浦工業大学卒業後、設計事務所・工務店・木構造材メーカー勤務を経て、2015年にハウス・ベース株式会社を起業。事業内容:住宅・建築関連の業務支援。特に非住宅用途の木造化・木質化支援(広報支援・設計支援・実務支援)に注力。木造非住宅オウンドメディア「モクプロ」を運営。

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