【観光】木造ホテルが急増中!その理由と注目事例を徹底解説

【観光】木造ホテルが急増中!その理由と注目事例を徹底解説

最近、旅行サイトや雑誌で、木の温もりを前面に打ち出したお洒落なホテルを目にする機会が増えたと感じませんか?

かつて「木造」といえば戸建て住宅のイメージが強かったのですが、今、日本各地でホテルや商業施設といった「非住宅」分野での木造化が急速に進んでいます。

特に観光業界では、この流れが顕著です。

この現象は、単なるデザインの流行ではありません。

背景には、地球環境への配慮、新しい建築技術の登場、国の政策、そして私たちの価値観の変化といった、いくつもの大きな潮流が複雑に絡み合っています。

この記事では、木造非住宅の専門プラットフォーム「モクプロ」が、なぜ今、木造ホテルがこれほどまでに増えているのか、その理由を専門家の視点から、分かりやすく徹底解説します。

この記事を読めば、木造ホテル増加の背景にある4つの理由から、それを実現可能にした最新技術、さらには今後の設計・施工のヒントとなる具体的なプロジェクト事例まで、体系的に理解することができます。

建材メーカー、工務店、建設会社、そして設計事務所の実務者の皆様にとって、このトレンドは大きなビジネスチャンスを秘めています。

ぜひ最後までお読みいただき、未来の建築ビジネスを考える上での確かなヒントを掴んでください。

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なぜ今、観光業界で「木造ホテル」が注目されるのか?

なぜ今、観光業界で「木造ホテル」が注目されるのか?

木造ホテルへの注目度は、日に日に高まっています。

それは、宿泊者がホテルに求める価値が、単に「泊まる場所」から「特別な体験をする場所」へと大きく変化していることの表れです。

木という素材が持つ本質的な魅力が、現代の旅行者のニーズと見事に合致したのです。

ここでは、なぜ今、木造ホテルが多くの人を惹きつけるのか、その根本的な理由を3つの視点から探っていきます。

宿泊者の心に響く「体験価値」、社会全体の関心事である「環境意識」、そして建築業界の大きな「トレンド」。

これらの要素がどのように絡み合い、木造ホテルというムーブメントを生み出しているのかを紐解いていきましょう。

宿泊体験の価値を変える「木の温もり」とウェルネス

木に囲まれた空間に足を踏み入れると、どこか心が落ち着き、リラックスできると感じた経験はありませんか?

これは単なる気のせいではなく、木が持つ香りや手触り、温かみのある質感が、人の心身に良い影響を与えることが科学的にも示唆されています 。

木材には湿度を調整する効果もあり、一年を通して快適な室内環境を保ちやすいという特徴もあります 。

このような木材の特性を活かした空間デザインは「バイオフィリックデザイン」と呼ばれ、人が本能的に求める自然とのつながりを満たしてくれます。

近年、旅行の目的として「ウェルネス」、つまり心身の健康や癒しを求める「ウェルネスツーリズム」が世界的な潮流となっています 。

日々の喧騒から離れ、自分自身と向き合う時間を大切にしたいと考える人々にとって、建物そのものが癒しの体験を提供する木造ホテルは、非常に魅力的な選択肢となるのです。

例えば、北海道の「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」では、道産木材をふんだんに使用し、都会にいながら森の中にいるような安らぎを提供することで、宿泊者のウェルネス志向に応えています 。

木造ホテルは、宿泊客に忘れがたい「体験価値」を提供する、強力なコンテンツなのです。  

環境意識の高まりが生んだ新たなホテル選びの基準

SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が社会に浸透し、多くの人が環境問題や社会貢献を「自分ごと」として捉えるようになりました。

この価値観の変化は、旅行におけるホテル選びにも大きな影響を与えています。

環境に配慮した製品やサービスを選ぶ「エシカル消費」の考え方が広がり、宿泊先がどれだけサステナブル(持続可能)な取り組みをしているかが、新たな選択基準となりつつあるのです。

この点で、木造建築は非常に強力なメッセージを発信します。

樹木は成長過程でCO2を吸収し、伐採されて建材になった後も炭素として内部に固定し続けます 。

鉄やコンクリートの製造時に大量のCO2が排出されるのと比べ、木材は「炭素の貯蔵庫」として機能し、建物のライフサイクル全体での環境負荷を大幅に低減できるのです 。

例えば、ある試算では、鉄骨造の建物を木造に転換することで、建設時のCO2排出量を約20%削減できるとされています 。

環境意識の高い旅行者にとって、サステナビリティを体現した木造ホテルに宿泊すること自体が、自身の価値観に合ったポジティブな行動となります。

ホテル側にとっても、木造建築は環境への貢献を具体的に示すことができ、強力なブランドイメージの構築に繋がるのです 。  

建築業界の大きな潮流「非住宅の木造化・木質化」

ホテル業界だけでなく、建築業界全体で今、「非住宅分野の木造化・木質化」が大きなトレンドとなっています 。

これまで鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)が主流だったオフィス、商業施設、公共施設などで、構造体や内外装に木材を積極的に活用する動きが活発化しているのです。

この背景には、後述する技術の進化や法改正がありますが、設計者や建設会社、デベロッパーの間で「木材の価値」が再認識されていることが大きいと言えるでしょう。

木材は、環境性能の高さはもちろん、プレカットによる工期の短縮や、コンクリートに比べて軽量なため基礎工事の負担を軽減できるといった施工上のメリットも持っています 。

また、木造建築は法定耐用年数がRC造などより短く設定されているため、減価償却における税務上のメリットが期待できる側面もあります 。

こうした様々な利点から、木材はもはや単なる代替材料ではなく、未来の建築における主流の選択肢として認識され始めています。

ホテルという、デザイン性や快適性が特に重視される用途において、この木造化のトレンドが先進的な形で現れているのは、自然な流れと言えるでしょう。

木造ホテルが日本各地で増えている4つの本質的な理由

木造ホテルが日本各地で増えている4つの本質的な理由

木造ホテルへの注目度の高まりは、単なるイメージや雰囲気だけが理由ではありません。

その背景には、私たちの社会を動かす、より構造的で強力な4つの推進力が存在します。

それは「環境」「技術」「政策」「地域」という、互いに関連し合う大きなテーマです。

地球規模の課題である脱炭素化への要請が、企業の経営戦略そのものを変え、建築のあり方を見直させています。同時に、かつて木造の弱点とされた課題を克服する画期的な技術革新が、その可能性を大きく広げました。

さらに、国が法律を整備して木材利用を強力に後押しし、地域経済の活性化という社会的な期待も高まっています。

ここでは、木造ホテル増加の核心にある、これら4つの理由を一つひとつ詳しく解説していきます。

【環境】脱炭素社会への貢献と企業のESG経営

現代の企業経営において、ESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮は、もはや無視できない最重要課題です。

特に「環境」面での脱炭素化への取り組みは、企業の社会的責任を示すだけでなく、投資家からの評価やブランド価値を左右する重要な要素となっています 。

この文脈において、木造建築は極めて有効な解決策となります。

最大の理由は、木材が持つ「炭素固定能力」です 。

樹木は光合成によって大気中のCO2を吸収し、その炭素を木材内部に貯蔵します。

建物として利用されている間もその炭素は固定され続けるため、建物自体が「第二の森林」や「都市の炭素貯蔵庫」としての役割を果たすのです 。

鉄やコンクリートといった他の主要構造材が製造過程で多くのCO2を排出するのとは対照的です。

実際に「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」では、木材を積極的に活用することで、建物全体をRC造にした場合と比較して約1,380トンものCO2排出を抑制したと試算されています 。

建築物における炭素固定量を「見える化」する取り組みも始めており 、木造建築の環境価値は、具体的な数値として企業評価に組み込まれる時代になっているのです。

【技術】常識を覆したCLTと耐火技術の進化

「木造で高層のホテルなんて、火事や地震が心配だ」というのは、もはや過去の話です。

近年の技術革新は、木造建築の歴史的な制約を劇的に乗り越えました。

その中心的な役割を担っているのが、CLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)と呼ばれる先進的な木質建材です 。

CLTは、木の板を繊維方向が直交するように何層にも重ねて接着した巨大なパネルで、鉄筋コンクリートに匹敵するほどの強度と安定性を誇ります 。

工場で精密に加工されるため、現場での工期を大幅に短縮できるというメリットもあります 。

木造の最大の弱点とされてきた耐火性も大きく向上しました。

木材は火に燃えると表面に炭化層ができ、それが断熱材となって内部まで燃え進むのを遅らせる性質があります。

この性質を利用し、あらかじめ構造的に必要な厚さに「燃えしろ」分を上乗せして設計する「燃えしろ設計」という手法が確立されました 。

さらに、都市部の厳しい防火規制に対応するため、CLTを石膏ボードなどの不燃材で覆うことで、RC造と同等の耐火性能を実現することも可能です 。

これらの技術的ブレークスルーが、都市部での安全な大規模木造ホテルを現実のものとしたのです。

【政策】国が後押しする木材利用促進の法改正

木造建築の普及を力強く後押ししているのが、日本政府の積極的な政策です。

決定的な転換点となったのが、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」です 。

これは、それまで公共建築物を対象としていた法律を改正したもので、対象がホテルやオフィスを含むすべての「民間建築物」にまで拡大された点が画期的でした 。

法律の名称に「脱炭素社会の実現」という言葉が加えられたことからも、国が木材利用を環境政策の重要な柱と位置づけていることがわかります 。

この法改正により、木造建築を選択する民間事業者に対して、国や地方自治体から補助金や助成制度といった直接的な支援が受けられるようになりました 。

これは、デベロッパーや建設会社にとって、木造化への経済的なハードルを大きく下げるものです。

法律という明確な後ろ盾ができたことで、金融機関なども木造建築プロジェクトへの融資に前向きになり、市場全体が活性化するという好循環が生まれつつあります。 

【地域】地域経済の活性化と林業再生への貢献

木造ホテルの建設は、その地域に多面的な好影響をもたらします。

特に「地域産材」を積極的に活用することは、地域経済の活性化に直結します。

日本の多くの山林では、戦後に植林された木々が伐採期を迎えているにもかかわらず、安価な輸入材に押されて十分に活用されていないという構造的な課題を抱えています 。

その地域で育った木材を使ってホテルを建てることは、地元の林業や製材業に新たな需要を生み出し、雇用を創出し、お金が地域内で循環する「経済波及効果」を生み出します 。

金沢市の「ホテル らしく金沢」は、地域の林業を活性化させたいというオーナーの強い思いから、あえて困難な木造ホテルに挑戦し、石川県産のスギ材をふんだんに使用した好例です 。

また、地元の工務店や職人が建設に携わることで、建設投資そのものが地域貢献に繋がります 。

宿泊客にとっても、その土地の木で建てられたホテルに泊まることは、地域の自然や文化を肌で感じる特別な体験となり、ホテル自体が旅の目的地となるほどの付加価値を生み出すのです。

 

【プロジェクト事例】設計・施工のヒントになる注目の木造ホテル3選

【プロジェクト事例】設計・施工のヒントになる注目の木造ホテル3選

木造ホテル増加の背景にある理由や技術を理解したところで、次は実際のプロジェクトがどのように実現されているのかを見ていきましょう。

ここでは、それぞれ異なるコンセプトとアプローチで成功を収めている、特に注目すべき3つの木造ホテルをピックアップしてご紹介します。

これらの事例は、単なる美しい建築というだけでなく、設計上の工夫、法規制のクリア、地域との連携など、実務者の皆様にとって具体的なヒントが満載です。

都市部の高層ハイブリッド建築から、世界的建築家が手掛けたデザインホテル、そして地域密着型の新たな都市モデルまで。

それぞれのプロジェクトがどのような課題に直面し、それをどう乗り越えたのか。

そのストーリーから、非住宅木造化のリアルな可能性を感じ取ってください。

都市型高層ハイブリッドの先駆け「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」

札幌市の中心部に誕生したこのザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園は、日本の都市型木造建築の歴史において画期的な存在です 。

地上11階建てという国内初の高層ハイブリッド木造ホテルであり、大規模な木材利用の可能性を大きく広げました 。

このプロジェクトの最大の特徴は、RC造と木造を巧みに組み合わせた「ハイブリッド構造」にあります 。

防火規制が厳しい1階から7階の低中層部はRC造を主体としつつ内装を木質化し、8階を移行階、そして9階から11階の高層部を純木造とすることで、安全性と木材利用のメリットを両立させています 。

この合理的な設計思想は、都市部での木造化を目指す上で非常に参考になります。

また、「北海道を体感する」というコンセプトのもと、構造材や内外装材の約8割に北海道産のカラマツやトドマツを使用 。

建設時にコンクリートの型枠として使った木材をそのまま客室の天井仕上げ材として再利用するなど 、サステナビリティとデザインを両立させる革新的なアイデアも随所に見られます。

ESG経営を推進するデベロッパーや設計者にとって、まさにベンチマークとなるプロジェクトです。 

建築自体が旅の目的に「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE」

山形県鶴岡市の広大な水田地帯に、まるで浮かぶように佇む「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE」。

このホテルは 、建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した建築家、坂茂氏が設計を手掛けたことで世界中から注目を集めています 。

このホテルのコンセプトは、庄内の原風景である水田との調和 。

建物はすべて木造の低層建築で構成され、宿泊者の視線が常に水田の高さに近くなるよう設計されており、圧倒的な自然との一体感を体験できます 。

坂氏の建築を象徴するリサイクルされた「紙管」がラウンジの家具などに使用されている点もユニークです 。

このプロジェクトが示すのは、卓越したデザインを持つ木造建築が、それ自体強力な集客力を持つ「デスティネーション(目的地)」になり得るということです。

周囲の景観を最大限に活かし、建築を通じてその土地ならではの物語を伝える。

このアプローチは、画一的なホテルとの差別化を図り、高い付加価値を生み出すための重要なヒントを与えてくれます。

ホテルという「ハコ」をつくるのではなく、そこでしか得られない「体験」をデザインするという視点が、これからの非住宅建築には不可欠です。  

H3-3: 地域と共生する都市型モデル「ディスカバー京都長岡京」

ディスカバー京都長岡京」は、市街地に建つ日本初の木造5階建てホテルとして、業界に大きなインパクトを与えました 。

このプロジェクトの特筆すべき点は、大手ゼネコンではなく、地元の工務店が主体となって施工したことです 。

耐震性に優れたツーバイフォー工法を採用し、京都府産のスギ材を活用することで 、地域の技術力で都市型の中層木造建築が実現可能であることを証明しました。

これは、地域の工務店や建設会社にとって、事業領域を拡大する大きな可能性を示唆しています。

さらに重要なのが、「地域との共生」という設計思想です。

一般的なホテルとは異なり、1階には地域住民も気軽に利用できるカフェ&バルや「ホール」と呼ばれるコミュニティスペースを設置 。

旅行者と地元の人々が自然に交流するハブとして機能し、まちの賑わいを創出しています。

建設段階から運営に至るまで、地域産材の活用、地域雇用の創出といった「地産地消」の理念が一貫しており 、建物が地域社会の資産となるための優れたモデルケースと言えるでしょう。  

木造ホテルの未来と非住宅木造化ビジネスの可能性

木造ホテルの未来と非住宅木造化ビジネスの可能性

これまで見てきたように、木造ホテルは多くの可能性を秘めていますが、その普及にはまだ乗り越えるべき課題も存在します。

特にコストやサプライチェーンの問題は、多くの実務者が直面する現実的な壁でしょう。

しかし、これらの課題の中にこそ、新たなビジネスチャンスが隠されています。

この章では、木造ホテル、ひいては非住宅木造化の未来を展望し、設計事務所や工務店、建設会社の皆様がこの大きな潮流にどう向き合い、ビジネスとして成功させていくべきか、その具体的な道筋を探ります。

変化の時代をリードするためには、課題を正しく認識し、戦略的に行動することが不可欠です。未来を見据え、今、何をすべきかを一緒に考えていきましょう。

サプライチェーンの課題とコストの今後の展望

現在、大規模な木造建築を計画する際に直面する最大の課題の一つが、コストとサプライチェーンです 。

日本の木材供給網は、その多くが戸建て住宅向けに最適化されているため、ホテルなどの大規模建築で必要となるCLTや大断面の集成材は、まだ「特注品」扱いになることが多く、コストを押し上げる一因となっています 。

また、大規模木造の設計や施工に関するノウハウを持つ技術者がまだ少ないことも課題です。

しかし、この状況は確実に変わりつつあります。

本記事で紹介したような先進的なプロジェクトが次々と生まれることで、市場に明確な需要が生まれ、製材工場やCLT工場への新たな設備投資が促されています。

需要が増えれば、スケールメリットによって生産コストは下がり、木造建築の価格競争力はさらに高まっていくでしょう。

国もサプライチェーンの強化を支援しており、この「鶏と卵」の問題は、今後数年で大きく改善されると予測されます。

今はまだ過渡期ですが、だからこそ、早期にノウハウを蓄積した企業が、将来の市場で大きな優位性を持つことになるのです。

設計事務所・工務店が今、この流れに乗るべき理由

この非住宅木造化の流れは、設計事務所や工務店、建設会社にとって、事業を飛躍させる絶好の機会です。

これまでS造やRC造が中心だった市場に、新たな選択肢が生まれたことで、競争のルールが変わりつつあります。

特に、木造建築のノウハウを持つ地域の工務店にとっては、これまで大手ゼネコンの独壇場だったホテルや商業施設といった領域に参入するチャンスが広がっています。

「ディスカバー京都長岡京」の事例が示すように、地域の技術力で地域のランドマークを創出することが可能なのです 。

設計事務所にとっては、木のデザイン性やサステナビリティという付加価値を提案することで、他社との差別化を図ることができます。

今、この分野に積極的に取り組み、専門知識や実績を積み重ねておくことは、未来への最も確実な投資と言えるでしょう。

クライアントのESG経営やSDGsへの貢献といった新たなニーズに応えられる体制を整えておくことが、これからの時代に選ばれる企業になるための鍵となります。  

プロジェクト成功の鍵はパートナー選び

非住宅木造化という新しい挑戦を成功させるためには、信頼できるパートナーとの連携が不可欠です。

大規模木造建築は、意匠設計、構造設計、木材の調達、加工、施工といった各分野で高度な専門知識が求められます。

自社だけですべてを賄うのは容易ではありません。

だからこそ、それぞれの分野のプロフェッショナルとネットワークを築き、プロジェクトごとに最適なチームを組むことが重要になります。

私たちハウス・ベースが運営する「モクプロ」は、まさにそのための「プラットフォーム」です。

木造化・木質化に関する専門知識(ナレッジ)の提供から、先進的な事例(プロジェクト)の紹介、そして専門家同士が繋がる機会(コミュニティ)の創出まで、建築実務者の皆様が抱える不安に寄り添い、挑戦を成功へと導くためのあらゆるサポートを提供しています。

非住宅の木造化・木質化に関する広報支援、設計支援、実務支援など、まずは私たちにご相談ください。

皆様の挑戦を、強力にバックアップします。

まとめ:木造ホテルは一過性のブームではない

本記事では、日本各地で木造ホテルが増えている理由について、4つの側面(環境、技術、政策、地域)から多角的に解説し、具体的なプロジェクト事例をご紹介しました。

この記事を通じてお伝えしたかったのは、この動きが単なる一過性のブームやデザインの流行ではない、ということです。

これは、脱炭素社会の実現という地球規模の要請と、私たちの価値観の変化を背景とした、建築のあり方そのものを見直す大きな地殻変動なのです。

木造建築は、CO2を固定し環境負荷を低減するだけでなく、宿泊者に癒しと特別な体験価値を提供し、地域経済の活性化にも貢献します。

かつての弱点であった耐火性や耐震性、高層化の課題は、CLTをはじめとする技術革新によって克服され、国の法整備もその普及を力強く後押ししています。

これらの強力な推進力が一つに集約されたのが、現在の「木造ホテルブーム」なのです。

メーカー、工務店、建設会社、設計事務所の皆様にとって、この変化は避けて通れない未来であり、同時に、新たな価値を創造する大きなビジネスチャンスでもあります。

この潮流をいち早く捉え、木造建築に関する知識と技術を蓄積することが、これからの時代を勝ち抜くための重要な経営戦略となるでしょう。

ハウス・ベース株式会社の「モクプロ」は、皆様の挑戦を全力でサポートするプロフェッショナルのパートナーです。

非住宅の木造化・木質化という新たな航海へ乗り出す皆様の、頼れる羅針盤となることをお約束します。

ご興味を持たれた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ハウス・ベース株式会社の木造化・木質化支援

非住宅用途の建築物で、木造化・木質化の更なる普及が期待されています。

諸問題を解決して、木造化・木質化を実現するには、「木が得意な実務者メンバー」による仕事が必要不可欠です。

木造非住宅ソリューションズでは、発注者の課題に対して、最適な支援をご提案します。

ハウス・ベース株式会社は、建築分野の木造化・木質化を支援するサービスである「木造非住宅ソリューションズ」を展開しています。

「木造非住宅ソリューションズ」とは、脱炭素社会実現に向けて、建築物の木造化・木質化に関する課題解決に貢献するための実務支援チームです。

◾️テーマ:「(木造化+木質化)✖️α」→木造化・木質化を追求し、更なる付加価値を創出

◾️活動の主旨:木に不慣れな人・会社を、木が得意な人・会社が支援する仕組みの構築

【主なサービス内容】

◾️広報支援:コンテンツマーケティング、WEBサイト制作、コンテンツ制作等

◾️設計支援 :設計者紹介、計画・設計サポート、設計・申請補助等

◾️実務支援 :木構造支援、施工者紹介、講師等

木造化・木質化で専門家の知見が必要な場合は、ぜひハウス・ベース株式会社までお気軽にお問合せください。

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著者

一級建築士。群馬県出身。芝浦工業大学卒業後、設計事務所・工務店・木構造材メーカー勤務を経て、2015年にハウス・ベース株式会社を起業。事業内容:住宅・建築関連の業務支援。特に非住宅用途の木造化・木質化支援(広報支援・設計支援・実務支援)に注力。木造非住宅オウンドメディア「モクプロ」を運営。

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