
近年、脱炭素社会への関心の高まりを背景に、事務所や店舗、倉庫といった非住宅分野での木造化・木質化が急速に進んでいます 。
市場規模は1兆円を超えるとも予測され、多くの建築実務者にとって大きなビジネスチャンスが到来していると言えるでしょう 。
しかし、この市場の急拡大は、新たな課題も生み出しています。
それは、CLT(直交集成板)をはじめとする先進技術を要する木造非住宅の施工には、従来の木造住宅やS造・RC造とは異なる、高度な専門性が求められるという点です 。
需要が急増する一方で、十分な実績とノウハウを持つ施工会社の数はまだ限られており 、発注者や設計事務所にとっては「どの会社に依頼すれば、思い描いた建築を実現できるのか」という不安がつきまといます。
経験の浅い施工会社を選んでしまうと、品質の低下や予期せぬコスト増、工期の遅延といった深刻なトラブルにつながりかねません。
そこで本記事では、木造非住宅プロジェクトの成功を左右する「信頼できる施工会社」を見つけ出すための、体系的で具体的な方法を4つのステップで徹底解説します。
単なる価格比較ではない、真のパートナーを見極めるための「選定術」を身につけ、プロジェクトを成功へと導きましょう。

なぜ今、木造非住宅の施工会社選びが重要なのか?

木造非住宅という新たな市場に挑戦する上で、プロジェクトの成否を分ける最も重要な要素の一つが「施工会社の選定」です。
「都市の木造化推進法」の後押しもあり、市場は活況を呈していますが、その一方で、技術的な要求水準も格段に高まっています 。
なぜ、これほどまでに施工会社選びが重要視されるのでしょうか。
それは、木造非住宅特有の技術的課題と、選定ミスがもたらすプロジェクト全体への深刻な影響があるからです。
ここでは、施工会社選定がプロジェクトの成功に不可欠である理由を、市場の現状とリスクの観点から掘り下げていきます。
信頼できるパートナーを見つけることが、いかに重要であるかをご理解いただけるはずです。

急成長する木造非住宅市場と技術的な専門性の必要性
木造非住宅市場は、まさに成長期の真っ只中にあります。
この背景には、木材が持つ炭素ストック効果による環境性能の高さや、工期短縮・コスト削減といった経済合理性があります 。
しかし、この急成長に、専門的なスキルを持つ施工会社の供給が追いついていないのが現状です。
特に、CLTパネル工法や大スパンを可能にするトラス構造、S造やRC造との混構造(ハイブリッド構造)といった現代的な木造建築は、従来の木造住宅の知識だけでは対応できません 。
耐火性能の確保や法規制への対策など、非住宅ならではの高度な設計・施工ノウハウが不可欠なのです 。
このような状況下で、発注者や設計事務所は、数多ある建設会社の中から、真の専門性を持つ一社を見つけ出すという、非常に難易度の高いタスクに直面しているのです。
施工会社選びの失敗が招く木造非住宅のプロジェクトリスク
もし、木造非住宅の経験が乏しい施工会社にプロジェクトを依頼してしまったら、どのようなリスクが待ち受けているのでしょうか。
最も懸念されるのは、品質の低下です。
木材の特性を理解せず、不適切な施工を行えば、建物の耐久性や安全性に深刻な問題が生じる可能性があります。
例えば、耐火設計の不備や、防腐・防蟻処理の甘さは、将来的に大きな損害につながりかねません 。
また、不慣れな工事は手戻りを多発させ、結果的に工期の大幅な遅延や、追加費用の発生という形で発注者に負担を強いることになります。
プロジェクトは、いわば施工会社が経験を積むための「実験場」となり、予算超過やスケジュールの破綻といった最悪の事態も起こり得ます。
こうしたリスクは、建物の価値を損なうだけでなく、発注者の事業計画そのものを揺るがしかねない重大な問題なのです。
木造非住宅の成功の鍵は「専門性」を持つパートナー探し
これらのリスクを回避し、木造非住宅プロジェクトを成功に導くための唯一の道は、価格の安さだけで施工会社を選ぶのではなく、プロジェクトの特性を深く理解し、共にゴールを目指せる「専門性を持ったパートナー」を見つけ出すことです。
木造非住宅の施工会社選定は、単なる業者選定ではありません。
それは、プロジェクトの価値を最大化し、潜在的なリスクを管理するための、極めて戦略的なプロセスと言えます。
設計段階から施工の課題を共有し、最適な解決策を共に模索できるパートナーがいれば、品質、コスト、工程のすべてにおいて、プロジェクトの成功確度は飛躍的に高まります。
本記事では、この「パートナー探し」を成功させるための具体的なステップを、一つひとつ丁寧に解説していきます。
ステップ1:候補となる木造非住宅の施工会社の探し方

信頼できるパートナー探しの第一歩は、質の高い候補企業リストを作成することから始まります。
しかし、「木造非住宅」という専門分野で実績のある企業は、一般的な建設会社名鑑を眺めているだけではなかなか見つかりません。
彼らは特定のプラットフォームやコミュニティに集まっていることが多いのです。
このセクションでは、やみくもに探すのではなく、的を絞って効率的に専門企業を発掘するための具体的な情報収集チャネルをご紹介します。
さらに、リストアップした企業が、そもそも大規模なプロジェクトを担う資格を持っているかどうかを客観的に判断するための、最も重要かつ簡単な初期評価の方法についても解説します。
このステップで、有望な候補を効率的に絞り込みましょう。

木造非住宅に対応できる専門企業を見つけるための情報収集チャネル
木造非住宅に意欲的に取り組む企業は、特定の情報源にその名を見つけることができます。
まず注目すべきは、業界団体や政府関連のプラットフォームです。
例えば、「一般社団法人日本CLT協会」の正会員名簿には、スーパーゼネコンから木造に強みを持つ専門企業まで、この分野のキープレイヤーが名を連ねています 。
また、林野庁が主導する「ウッド・チェンジ協議会」の参加団体リストも、国の政策と歩調を合わせる先進的な企業群として非常に参考になります 。
さらに、「モクプロ」のような非住宅木造に特化した専門メディアは、実績豊富な企業のリストや事例を公開しており、直接的な候補探しに役立ちます 。
「新建築」などの建築専門誌で組まれる木造特集や、建築コンクールの受賞作品から施工会社を逆引きで探すのも有効な手段です 。
これらのチャネルを活用することで、質の高い候補企業リストを効率的に作成することが可能になります。
木造非住宅では必ずチェック!建設業許可「特定建設業」の重要性
候補企業をリストアップしたら、次に行うべき最も簡単で重要な初期評価が「建設業許可」の確認です。
これは、企業の法的資格と事業規模を客観的に判断するための第一関門となります。
国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で誰でも簡単に調べることができます 。
ここで特に注目すべきは、許可番号に記載されている「特定建設業」か「一般建設業」かという区分です 。
この違いは、プロジェクトを管理する能力を示す強力な指標となります。
「特定建設業許可」は、元請として受注した1件の工事で、下請契約の合計額が一定以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)になる場合に必要とされる許可です 。
専門工事が多く発生する木造非住宅では、元請会社はこの許可がほぼ必須となります。
また、特定建設業の取得要件は財務基盤や技術者の質において一般建設業より格段に厳しいため 、この許可の有無は、大規模プロジェクトを遂行する体力と資格を持つ企業を見分けるための、極めて有効なフィルターとなるのです。
Webサイトや資料請求で見るべき初期チェック項目
建設業許可で基本的なスクリーニングを行った後、各社のWebサイトやパンフレットをチェックし、さらに候補を絞り込んでいきましょう。
この段階で見るべきは、単にデザインが美しいかどうかではありません。
その企業が「木造非住宅にどれだけ本気で取り組んでいるか」という姿勢です。
まず、「施工事例」のページを確認します。
住宅だけでなく、事務所、倉庫、福祉施設など、計画中の建物と近い用途や規模の実績が掲載されているかを確認しましょう 。
特に、CLTや混構造といった先進的な技術を用いた事例があれば、高く評価できます 。
次に、会社概要や事業内容のページで、木造建築に関する専門部署の有無や、技術開発への取り組み、理念などが語られているかを見ます。
もし「サステナビリティ」や「環境建築」といったキーワードと共に、木造建築が戦略的に位置づけられているなら、その企業は将来性のあるパートナー候補と言えるでしょう。
これらの情報を基に、問い合わせや資料請求を行う企業を3〜5社程度に絞り込むのが理想的です。
ステップ2:実績と経営状況から木造非住宅の「実力」を見抜く

初期評価を通過した有望な候補企業に対して、次に行うのは、その「真の実力」を徹底的に見極めるための、より深い調査です。
企業のWebサイトに掲載されている華やかな実績や自己PRだけを鵜呑みにしてはいけません。
プロジェクトの成功は、その企業が持つ客観的な技術力と、工事期間中に揺らぐことのない安定した経営基盤に支えられています。
このセクションでは、公的なデータベースや第三者の評価を活用し、企業の施工実績の「質」を正しく分析する方法と、財務状況の健全性を客観的に評価する手法を解説します。
表面的な情報に惑わされず、データに基づいた冷静な判断を下すためのスキルを身につけましょう。

木造非住宅の実績を正しく評価する3つの視点
施工実績を確認する際、「木造建築を手がけたことがある」というだけでは不十分です。
計画中のプロジェクトとの関連性、つまり「質」を評価することが重要になります。
評価すべき視点は大きく3つあります。
1つ目は「用途と規模」です。
計画している建物が倉庫であれば倉庫の、クリニックであればクリニックの施工実績があるかを確認します。
特定の用途には特有のノウハウがあり、同規模の経験はプロジェクト管理能力の証明となります 。
2つ目は「採用技術」です。
CLTパネル工法、大スパンを可能にするトラス構造、あるいはS造・RC造との混構造など、現代的な木造建築技術の実績があるかは、企業の技術力を測る上で最も重要な指標です 。
3つ目は「役割」です。
そのプロジェクトで元請として全体を統括したのか、一部の下請工事を担っただけなのかを確認しましょう。
元請としての実績は、プロジェクト全体をマネジメントする能力の証となります。
これらの情報は、企業へのヒアリングはもちろん、可能であれば過去の施主や設計事務所へのリファレンスチェックを通じて確認することが理想的です。
経営事項審査(経審)データで財務の健全性を確認する方法
施工会社の経営状況は、プロジェクトを安定して遂行できるかを測る上で決定的に重要です。
万が一、工事期間中に経営破綻するようなことがあれば、プロジェクトは壊滅的な打撃を受けます。
そこで活用したいのが、公共工事の入札参加資格審査である「経営事項審査(経審)」のデータです。
これは、企業の経営状況を客観的・統一的な基準で評価した、いわば企業の「通信簿」のようなものです 。
このデータは、ワイズ公共データシステムが提供する「経審トレンド10」や「SkgDB Cloud」といった民間サービスを利用すれば、誰でも閲覧可能です 。
重要なのは、単年度の点数(総合評定値:P点)だけでなく、過去数年間の推移を時系列で見ることです。
売上高や利益が安定しているか、自己資本比率は健全か、そして総合評定値が低下傾向にないかなどをグラフで確認することで、その企業の財務的な安定性や成長性を客観的に判断することができます 。
担当者・技術者の専門性を見極めるポイント
企業の技術力は、最終的に「人」に帰結します。
組織としてどのような専門家を抱えているかを確認しましょう。
まず、社内に「一級建築士」や、木造建築に特化した「木造建築士」といった国家資格保有者がどれだけ在籍しているかは、企業の技術レベルを示す一つの指標です 。
さらに重要なのが、実際にプロジェクトを担当する「現場代理人(現場監督)」のスキルと経験です。
プロジェクトの品質は、現場を指揮する代理人の能力に大きく左右されると言っても過言ではありません。
候補企業には、本案件にアサイン予定の現場代理人の経歴書を提出してもらいましょう。
木造非住宅の経験年数や、過去に手がけたプロジェクトの内容はもちろん、面談を通じて、そのコミュニケーション能力や問題解決能力、リーダーシップといった人間性まで見極めることが重要です 。
信頼できる現場代理人との出会いが、プロジェクト成功の大きな後押しとなります。
ステップ3:木造非住宅の見積書の比較と価格交渉のポイント

複数の候補企業から見積もりを取得し比較検討する「相見積もり」は、施工会社選定のクライマックスです。
しかし、ここで多くの発注者が陥りがちなのが、「総額が一番安い会社」に安易に決めてしまうという失敗です。
見積書は、単なる価格表ではありません。
それは、その企業の誠実さ、技術的な理解度、そしてリスク管理能力を映し出す鏡なのです。
このセクションでは、見積書のどこに注目すべきか、特に注意が必要な「一式」という表記の危険性、そして価格の妥当性を正しく見極めるための比較方法について具体的に解説します。
見積書の裏に隠されたメッセージを読み解き、コストと品質のバランスが取れた最適なパートナーを選び抜きましょう。

要注意!「一式見積もり」に潜むリスクとは?
見積書を比較する際、最も警戒すべきなのが「〇〇工事 一式」という表記が多用されているケースです。
これは単なる記載の省略ではなく、発注者にとって多くのリスクを内包しています。
まず、工事内容が不透明になるという問題があります。
「一式」では、具体的にどのような材料が、どれだけの量、どれだけの単価で使われるのかが全く分かりません 。
これでは、A社の「外壁工事一式 500万円」とB社の「同 600万円」を比較しようにも、どちらが適正価格なのか判断のしようがありません 。
さらに深刻なのが、追加費用のトラブルです。
工事中に仕様変更が生じた際、「一式」で計上されている項目については、変更に伴う増減額の算出根拠が存在しないため、施工会社から一方的に高額な追加費用を請求されるリスクが高まります 。
詳細な内訳が記載された「明細見積書」の提出を依頼し、もしそれを拒むようなら、その企業は候補から外すのが賢明な判断と言えるでしょう。
適正価格を見極める相見積もりの正しい取り方と比較方法
価格の妥当性を判断し、最適なパートナーを選ぶために不可欠な相見積もり。
これを効果的に行うには、まず全ての候補企業に全く同じ情報(設計図面、仕様書など)を提供し、「同一条件下」で見積もりを依頼することが絶対的な原則です 。
条件が異なれば、金額を単純比較することに意味はありません。
比較対象は、ステップ2までの評価をクリアした2〜3社に絞ると効率的です 。
見積書が提出されたら、総額だけで判断してはいけません。
各項目の単価や数量に極端な差がないか、諸経費の割合は妥当か(一般的に工事費の10〜20%程度が目安) 、そして見積条件書に不利な内容が含まれていないかなどを多角的に比較します。
また、見積書自体の丁寧さや分かりやすさも、その企業の仕事に対する姿勢を反映します。
金額だけでなく、提案内容や担当者の対応力なども含めた総合的な評価が、後悔のない選択につながるのです 。
設計変更や追加費用に関する事前の確認事項
建設プロジェクトにおいて、工事中の設計変更や仕様変更は、程度の差こそあれ必ず発生すると考えておくべきです。
重要なのは、変更が発生した際に、追加費用がどのように算出されるのか、そのルールが契約前に明確になっていることです。
見積もりを取得する段階で、「もし仕様を変更した場合、追加費用はどのように計算されますか?」と必ず確認しましょう。
最も望ましいのは、当初提出された詳細な見積書の単価を基準にして、増減額を算出するという取り決めを書面で交わしておくことです 。
例えば、「壁の仕上げ材を変更した場合、当初見積もりの単価との差額に面積を乗じた金額を追加費用とする」といった具体的なルールです。
このような取り決めがあれば、変更時に不当に高い金額を請求されるといったトラブルを防ぎ、常に透明性の高いプロセスでプロジェクトを進めることができます。
この点について明確な回答を避けたり、曖昧な説明に終始したりする企業には注意が必要です。
ステップ4:木造非住宅の契約前に最終確認すべき重要事項

厳しい評価プロセスを経て、ついに契約する施工会社を1社に絞り込みました。
しかし、ここで気を抜いてはいけません。
最後に交わす「建設工事請負契約書」は、これから始まる長いプロジェクトのルールを定める、最も重要な文書です。
万が一トラブルが発生した際に、自社を守るための最後の砦となります。
このセクションでは、契約書に安易に署名してしまう前に、必ず確認すべき法的なポイントを解説します。
特に、工期が遅れた場合のペナルティや、完成後に欠陥が見つかった場合の保証など、将来のリスクに直結する重要条項について、どのような点に注意すべきかを具体的に示します。
安心してプロジェクトをスタートさせるための、最終チェックを行いましょう。

契約書で確認必須!「建設工事標準請負契約約款」とは
施工会社から提示された契約書に、よく分からないまま署名・捺印するのは非常に危険です。
契約内容が公平であるかどうかを判断するための基準として、国土交通省の中央建設業審議会が作成した「建設工事標準請負契約約款」というものがあります 。
これは、発注者と受注者双方の権利と義務をバランス良く定めた、いわば業界の「標準モデル」です。
多くの信頼できる建設会社は、この標準約款をベースにした契約書を使用しています。
したがって、契約前には、提示された契約書がこの標準約款に準拠しているか、あるいは大きく乖離している部分はないかを確認することが極めて重要です。
もし、標準約款と異なる条項があり、それが自社にとって一方的に不利な内容である場合は、その理由を問い質し、納得できるまで修正を求めるべきです。
このひと手間が、将来の無用なトラブルを防ぎます。
工期遅延と契約不適合責任(瑕疵担保)の取り決め
契約書の中でも、特に注意深く確認すべきが、工期遅延と契約不適合責任(2020年の民法改正前の「瑕疵担保責任」)に関する条項です。
まず、施工会社の責任で工期が遅延した場合のペナルティとして、「遅延損害金」がどのように定められているかを確認します。
標準約款では年率14.6%といった利率が参考にされますが、この利率と算定方法が明記されているかが重要です 。
次に、完成した建物に契約内容と異なる不具合が見つかった場合の「契約不適合責任」です。
注目すべきはその保証期間です。
「住宅品質確保促進法(品確法)」では、新築住宅の主要構造部と雨水の浸入防止部分について、10年間の保証を義務付けています 。
この法律は非住宅には直接適用されませんが、建物の基本性能を保証する期間として、交渉の有力な基準となります。
品質に自信のある誠実な施工会社であれば、建物の根幹部分に関する長期保証に応じることに前向きなはずです。
プロジェクト成功を左右する担当者との関係構築
契約は企業と結ぶものですが、プロジェクトを日々動かし、現場で起こる様々な課題を解決していくのは、担当者という「人」です。
法的な契約内容の確認と並行して、プロジェクトを率いる現場代理人(現場監督)や営業担当者と、良好なパートナーシップを築けるかどうかも最終的に見極める必要があります 。
契約前の最終面談の機会を設け、改めてプロジェクトに対する想いやビジョンを共有しましょう。
この面談は、相手の技術的な経歴を確認するだけでなく、コミュニケーションのスタイルや人柄、仕事に対する熱意を感じ取るための貴重な機会です。
建設プロジェクトは、発注者、設計者、施工者が一つのチームとなって進める共同作業です。
これから数ヶ月、時には1年以上にわたって苦楽を共にすることになります。
「この人たちとなら、困難な課題も乗り越えていける」という信頼感が持てるかどうか。
その最後の確認が、プロジェクトを成功に導くための大切な一歩となるのです。
まとめ

木造非住宅の施工会社選定は、単に安い業者を探す作業ではありません。
それは、技術的な専門性、安定した経営基盤、そしてプロジェクトを成功に導く管理能力を兼ね備えた、信頼できる「パートナー」を見つけ出すための戦略的なプロセスです。
本記事では、そのための具体的な4つのステップを解説しました。
まずは、業界団体や専門メディアといった適切なチャネルから質の高い候補企業リストを作成し、「特定建設業許可」の有無で初期スクリーニングを行います。
次に、デューデリジェンスの段階では、過去の実績を多角的に分析し、経営事項審査データを用いて財務の健全性を客観的に評価します。
ステップ3では、見積書の「一式」表記のリスクを理解し、詳細な内訳に基づいた透明性の高い比較を徹底することの重要性を学びました。
そして最終ステップとして、契約締結前に、標準約款を基準に契約内容を精査し、法的なリスクを回避するための最終確認を行うことの重要性を確認しました。
このデータに基づいた体系的なアプローチを実践することで、発注者や設計事務所は、木造非住宅市場に内在するリスクを大幅に低減させることができます。
そして何より、自らの建築ビジョンを深く理解し、高品質かつ持続可能な形で具現化してくれる、真のパートナーシップを築くことができるはずです。
この記事が、皆様の挑戦を成功へと導く一助となれば幸いです。

ハウス・ベース株式会社の木造化・木質化支援
非住宅用途の建築物で、木造化・木質化の更なる普及が期待されています。
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◾️テーマ:「(木造化+木質化)✖️α」→木造化・木質化を追求し、更なる付加価値を創出
◾️活動の主旨:木に不慣れな人・会社を、木が得意な人・会社が支援する仕組みの構築
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