
近年、脱炭素社会への関心の高まりや、CLT(直交集成板)といった新技術の登場により、「非住宅分野の木造化・木質化」が急速に進んでいます。
店舗や事務所、倉庫、福祉施設など、これまで鉄骨造やRC造が主流だった建物にも、木造の可能性が広がっています。
この大きなビジネスチャンスを前に、多くの工務店・建設会社の皆様が、「どうすれば木造非住宅の案件を獲得できるのか?」と模索されているのではないでしょうか。
従来の紹介や人脈による営業活動はもちろん重要です。
しかし、木造非住宅という新しい分野に挑戦しようとする発注者(施主やデベロッパー、設計事務所)は、まずインターネットで情報を集めます。
「非住宅木造 施工事例」
「木造倉庫 コスト」
「〇〇市 木質化 設計」
といったキーワードで検索し、信頼できるパートナーを探しているのです。
そこで不可欠となるのが「SEO対策」です。
SEO対策とは、自社のウェブサイトを検索結果の上位に表示させるための取り組みのことです。
これがうまく機能すれば、広告費をかけずとも、木造非住宅の案件を探している見込み客が、向こうから自社サイトを訪れてくれるようになります。
この記事では、木造非住宅の集客に取り組む工務店・建設会社の経営者様、広報ご担当者様に向けて、SEO対策の基本的な考え方から、実務にすぐ活かせるコンテンツ制作のノウハウまで、わかりやすく解説します。
「Web集客は専門外で不安だ」という方にも寄り添い、その挑戦を後押しする「ナレッジ(お役立ち情報)」としてお届けします。

なぜ今、工務店が木造非住宅の集客にSEO対策をすべきなのか?

「うちは昔から紹介で仕事が回っているから、Web集客なんて必要ない」——。
そうお考えの工務店様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、非住宅の木造化・木質化という新しい市場においては、その考え方が機会損失に繋がっている可能性があります。
木造非住宅への挑戦は、技術的なハードルだけでなく、「どうやって最初の一件を受注するか」という集客のハードルも伴います。
本章では、なぜ今、工務店がSEO対策に取り組み、Web上での「広報活動」に力を入れるべきなのか、その理由を3つの側面から解説します。
この変化の波をチャンスに変えるために、まずはWeb集客の重要性を理解することから始めましょう。
非住宅木造市場の拡大とWeb集客の重要性
現在、国を挙げて非住宅分野での木材利用が推進されています。
その結果、これまで木造が選択肢に上がりにくかった中規模・大規模な建築物においても、木造化・木質化の事例が増加しています。
この市場の拡大は、工務店・建設会社にとって大きなビジネスチャンスです。
しかし、それは同時に、競合他社もこの分野に注目し始めていることを意味します。
ここで重要なのが、発注者の行動変化です。
新しい工法や実績のない分野(=非住宅木造)で建築を検討する施主や設計担当者は、まずインターネットで情報収集を行います。
「この地域で木造の店舗を建てられる会社はどこか?」
「木造と鉄骨造で、コストや工期はどう違うのか?」
「耐火性や耐久性は大丈夫か?」
といった疑問を解消するため、彼らは検索エンジンを使います。
このとき、検索結果の上位に自社のウェブサイトが表示され、彼らの疑問に答える有益な情報(施工実績や専門知識)が掲載されていればどうでしょうか。
発注者は貴社に対して「信頼できる専門家だ」という第一印象を抱き、問い合わせの有力な候補となるはずです。
Web集客は、この「最初の接点」を作るために不可欠な戦略なのです。

従来の営業手法だけでは限界?工務店が抱える集客の悩み
多くの地域密着型工務店様にとって、従来の集客の柱は、
「既存顧客からの紹介」
「設計事務所との長年の付き合い」
「地域のネットワーク」
だったかと思います。
これらは非常に価値のある資産であり、今後も大切にすべきものです。
しかし、木造非住宅という新しい市場においては、従来の手法だけでは限界が見え始めています。
例えば、これまで住宅メインで手掛けてきた工務店様が、新たに「木造の福祉施設」の案件を獲得したいと考えたとします。
既存の住宅の施主様から、福祉施設の建設案件が紹介されるケースは稀でしょう。
また、付き合いのある設計事務所が、木造非住宅の設計経験に乏しい場合もあります。
つまり、「木造非住宅を建てたい」という新しいニーズを持った発注者層と、従来のネットワークが必ずしも一致しないのです。
ここに、SEO対策の重要性があります。
SEO対策は、貴社のことをまだ知らない、しかし「木造非住宅」というニーズを明確に持っている未来のお客様に対して、インターネットを通じて「ここに専門家がいます」と名乗りを上げる活動です。
「広報担当者がいない」「Webに詳しい人材がいない」といった悩みは多くの工務店様が抱えていますが、まずは「自社の強み」をWebで発信することから始めるだけでも、従来の営業手法の「穴」を埋める大きな一歩となります。

SEO対策がもたらす「資産」としてのWebサイトの価値
SEO対策と聞くと、「広告」と同じように捉えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、両者には決定的な違いがあります。
リスティング広告(検索連動型広告)は、費用を支払えばすぐに検索結果の上位に表示されますが、費用を止めれば表示されなくなります。
これは「消費型」の集客手法です。
一方、SEO対策は、自社のウェブサイトに有益なコンテンツ(施工事例、専門知識ブログなど)を蓄積していく活動です。
成果が出るまでには時間がかかりますが、一度検索上位に表示されれば、広告費をかけずとも継続的に見込み客を集め続けてくれます。
良質なコンテンツは、時間が経っても価値が下がりにくく、むしろ会社の「信頼」や「専門性」を証明する「資産」となります。
例えば、貴社が「中大規模木造における防耐火のポイント」という専門的な解説記事を公開したとします。
この記事が検索上位に表示されれば、この記事を読んだ設計事務所の担当者や、知識のある発注者が、「この工務店は高い技術力を持っている」と評価し、相談に繋がるかもしれません。
SEO対策とは、単なるアクセス集めではなく、自社の専門性(ナレッジ)を発信することで、未来の優良な顧客やパートナー(設計事務所など)を引き寄せる「投資」であり、Webサイトを「集客し続ける資産」へと育てる活動なのです。

木造非住宅のSEO対策、何から始める?(基礎知識編)

SEO対策の重要性は理解できても、「具体的に何から手をつければいいのか分からない」というのが、多くの実務者様の正直な感想ではないでしょうか。
専門用語が飛び交い、難しく感じてしまうかもしれません。
しかし、基本的な考え方は非常にシンプルです。
それは、「検索する人の疑問や悩みに、最も的確に答える情報を提供する」ことです。
本章では、木造非住宅の集客をこれから始める工務店様に向けて、SEO対策の「はじめの一歩」となる基礎知識を、専門用語をできるだけ使わずに解説します。
SEOとは?検索エンジンが工務店サイトを評価する仕組み
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれます。
簡単に言えば、GoogleやYahoo!といった検索エンジンで、ユーザーが特定のキーワード(例:「木造倉庫 施工」)で検索した際に、自社のウェブサイトをできるだけ上位に表示させるための一連の取り組みのことです。
では、検索エンジンはどのような基準でサイトの順位を決めているのでしょうか?
Googleが最も重視しているのは、「ユーザーにとってどれだけ有益か」という点です。
例えば、「木造倉庫 施工」と検索した人は、
「木造倉庫の施工事例が見たい」
「費用感が知りたい」
「信頼できる工務店を探したい」
といった目的を持っていると考えられます。
検索エンジンは、世界中のウェブサイトを巡回(クロール)して情報を集め、独自の基準(アルゴリズム)で評価します。
「このサイトは、木造倉庫に関する専門的な情報が豊富だ」
「多くの人が訪問し、しっかり読んでいる」
「他の信頼できるサイトからも紹介されている」
といったサイトを高く評価し、上位に表示させようとします。
つまり、工務店様が行うべきSEO対策とは、小手先のテクニックに走ることではありません。
木造非住宅に関する「専門性」や「施工実績」、「実務ノウハウ」といった貴社が持つ「強み」を、検索しているユーザー(未来のお客様)に分かりやすく伝えるコンテンツをウェブサイトに用意すること。
これこそが、SEO対策の最も重要な本質です。

自社の「強み」と「ターゲット(発注者・設計事務所)」を明確に
SEO対策を始める前に、必ず行わなければならないのが「自社の分析」です。
誰に、何を伝え、どんな行動(問い合わせ)をしてほしいのかを明確にしなければ、発信する情報がぼやけてしまい、誰にも響かないサイトになってしまいます。
まずは、以下の2点を整理してみましょう。
1. 自社の「強み」は何か?
- 木造非住宅に関する設計に対応できるか?
- 特定の用途(例:店舗、福祉施設)での施工実績が豊富か?
- コストを抑えた提案が得意か?
- 地元での長年の実績と信頼があるか?
- デザイン性の高い木質空間づくりが得意か?
- 複雑な申請実務のノウハウがあるか?
2. 「ターゲット」は誰か?
- 直接の施主(例:倉庫を建てたい工場経営者、店舗オーナー)か?
- 木造化を検討しているデベロッパーか?
- 木造非住宅の設計パートナー(施工者)を探している設計事務所か?
- 建材や木材の納入先を探しているメーカーか?
例えば、「木造共同住宅の設計力」が強みで、「設計事務所」をターゲットにするなら、「木造共同住宅の設計実務で役立つナレッジ」や「設計事務所との協働事例」を発信すべきです。
一方、「コストを抑えた木造倉庫」が強みで、「施主」をターゲットにするなら、「鉄骨造とのコスト比較シミュレーション」や「短工期で実現した施工事例」が響くでしょう。
このように、自社の「強み」と「ターゲット」を明確にすることで、SEO対策の軸が決まり、効果的なコンテンツ制作に繋がっていきます。

キーワード選定の基本:「木造非住宅」+「地域」「用途」「課題」
自社の強みとターゲットが明確になったら、次に「キーワード」を選定します。
キーワードとは、ターゲットとなるユーザーが検索エンジンに入力する「言葉」のことです。
例えば、「木造非住宅」というキーワードは、非常に範囲が広すぎます(ビッグキーワード)。
このキーワードで検索する人は、情報を集め始めたばかりの学生かもしれませんし、競合他社かもしれません。
このキーワードで上位表示されても、実際の「案件獲得」には結びつきにくいのです。
工務店様が狙うべきは、もっと具体的で、ターゲットの「悩み」や「要望」が反映されたキーワード(ロングテールキーワード)です。
基本的な組み合わせは以下の通りです。
- [用途] + [地域]
- 例:「木造倉庫 神奈川」「非住宅 木質化 東京」「木造店舗 施工 埼玉」
- [用途] + [課題・要望]
- 例:「木造倉庫 コスト」「中大規模木造 耐火」「木造事務所 設計事務所紹介」
- [実務・専門用語] (設計事務所向けなど)
- 例:「非住宅木造 構造計算」「木造耐火建築 申請」「CLT 施工ノウハウ」
これらのキーワードは、「木造非住宅」というビッグキーワードに比べて検索される回数は少ないかもしれません。
しかし、そのキーワードで検索する人は、具体的な目的(=発注、相談)を持っている可能性が非常に高い「濃い見込み客」です。
自社の強み(例:神奈川で木造倉庫が得意)と、ターゲットの検索キーワード(例:「木造倉庫 神奈川」)が一致する場所で上位表示されること。
これが、木造非住宅の集客におけるSEO対策の第一目標となります。

検索上位を狙う!工務店のコンテンツマーケティング実践術

SEOの基礎知識とキーワード選定が終われば、いよいよ対策の「核」となる「コンテンツ(記事や情報)」作りに入ります。
これこそが、木造非住宅という専門分野において、工務店様・建設会社様が最も力を発揮できる部分です。
なぜなら、貴社が日々の実務で培ってきた「専門知識」や「施工ノウハウ」こそが、発注者や設計事務所が最も知りたい「価値ある情報」だからです。
本章では、その貴重なナレッジを集客に繋げるための、具体的なコンテンツマーケティングの実践術をご紹介します。
「ナレッジ」を発信!専門性を伝えるブログ記事の書き方
木造非住宅の発注を検討している人は、多くの「不安」や「疑問」を抱えています。
「本当に木造で大丈夫か?」「コストは?」「法規制は?」などです。
こうした不安に対して、専門家としての知見(ナレッジ)をブログ記事などで発信することは、SEO対策として非常に効果的です。
ポイントは、「売り込み」ではなく「お役立ち情報」を提供することです。
例えば、以下のようなテーマが考えられます。
- 「木造非住宅でよくある失敗例とその対策」
- 「非住宅木造で使える補助金・助成金まとめ(202X年度版)」
- 「木造とS造(鉄骨造)、コストと工期を徹底比較!」
- 「設計事務所が知っておきたい、木造耐火建築の申請ポイント」
このような記事は、先ほど選定した「木造非住宅 コスト」「非住宅木造 補助金」といった「課題・要望」キーワードでの検索流入が期待できます。
記事を書く際は、専門用語を多用せず、ターゲット(施主向けか、設計事務所向けか)に合わせて、わかりやすい言葉で解説することが重要です。
この記事を読んだユーザーが、「この工務店は、ここまで詳しく教えてくれるのか」「この会社なら安心して任せられそうだ」と感じれば、それは強力な「信頼」の構築に繋がります。
専門知識の発信は、貴社の「技術力」と「信頼性」をWeb上で証明する最良の手段なのです。

施工実績(プロジェクト)を最強の集客コンテンツにする方法
工務店・建設会社のウェブサイトにおいて、「施工実績(プロジェクト)」は間違いなく最強のコンテンツです。
発注者が最も見たいのは、「この会社が実際にどんな建物を建てたのか」という事実だからです。
しかし、多くのサイトでは、完成写真と建物の概要(用途、規模、場所)が掲載されているだけで、非常にもったいないケースが見受けられます。
SEO対策として効果的な「施工実績」ページにするためには、「プロジェクトの背景にあるストーリー」や「実務的な情報」を補足することが不可欠です。
以下の情報を盛り込むことを意識してください。
- 発注者の課題・要望(Before)
- 例:「鉄骨造で検討していたが、コストと環境配慮の面で悩んでいた」
- 貴社からの提案(Solution)
- 例:「木造(在来工法+CLT)を採用することで、コストを抑えつつ意匠性の高い空間を提案した」
- 設計・施工上の工夫(Process)
- 例:「大スパンを実現するための木構造の工夫」「施工現場での〇〇(建材)の取り扱いノウハウ」
- 完成後の成果(After)
- 例:「施主様の声:『木のぬくもりがあり、従業員の満足度も上がった』」
これらの情報を具体的に記述することで、単なる写真紹介ではなく、「課題解決事例」としての説得力が生まれます。
また、「木造倉庫 コストダウン」「CLT 施工」といった具体的なキーワードにも自然と対応でき、SEO効果も高まります。

設計事務所や建材メーカーとの「連携力」をアピールする
木造非住宅、特に中大規模木造のプロジェクトは、工務店・建設会社だけで完結することは稀です。
卓越した設計力を持つ設計事務所、特殊な木構造のノウハウを持つ専門家、高性能な建材・木材を提供するメーカーとの「連携」が成功の鍵を握ります。
この「連携力」や「ネットワーク」も、貴社の強みとして積極的に発信すべきコンテンツです。
例えば、以下のような切り口が考えられます。
- 設計事務所との協働事例(対談記事)
- 「〇〇設計事務所と実現した、高難度の木構造プロジェクト」
- 設計事務所側から見た「貴社(工務店)と協働するメリット」を語ってもらうことで、他の設計事務所からの信頼獲得にも繋がります。
- 建材・木材メーカーの紹介
- 「当社の木造建築を支える、〇〇社(メーカー)の耐火部材」
- 特定の建材(例:CLT、LVL、特定の耐火被覆材など)に関する施工ノウハウや実績を発信することで、その建材を使いたい設計事務所や施主からの引き合いが期待できます。
非住宅木造の実績がまだ少ない工務店様であっても、「私たちは、これだけの実力を持つパートナー(設計事務所やメーカー)と繋がっています」とアピールすることは、発注者に対する大きな安心材料となります。
自社単体の力だけでなく、「チームとしての対応力」をWebサイトで示すことが重要です。

見込み客を逃さない!木造非住宅に強いウェブサイトの作り方

SEO対策や良質なコンテンツ制作によって、せっかく見込み客がウェブサイトを訪れてくれても、サイト自体が使いにくければ、訪問者はすぐに立ち去ってしまいます。
施工実績を探しにくい、問い合わせ先がどこか分からない、スマホで見たら文字が小さすぎる…。
これでは、集客の努力が水泡に帰してしまいます。
本章では、訪問してくれた見込み客を「問い合わせ」や「資料請求」といった具体的な行動に導き、逃さないための「ウェブサイトの作り方(内部対策)」について、実務的なポイントを解説します。
お問い合わせに繋がる「導線設計」と「資料請求」の仕掛け
ウェブサイトにおける「導線設計」とは、訪問者を「ゴール(お問い合わせ、資料請求など)」まで迷わせずに案内する「道筋」を整えることです。
木造非住宅に関心を持って訪れたユーザーが、次にどんな情報を欲しがるかを予測し、適切な場所に適切なボタンやリンクを配置することが重要です。
例えば、
- 「施工実績(プロジェクト)」のページを見た後
- → 訪問者は「似たような建物の費用が知りたい」「もっと詳しい資料が見たい」と思っている可能性が高いです。
- → 対策:記事の最後に「関連する施工実績はこちら」「木造倉庫の費用感が分かる資料をダウンロード」といったリンクを設置します。
- 「専門知識(ナレッジ)」のブログ記事を読んだ後
- → 訪問者は「この会社に一度相談してみたい」と感じているかもしれません。
- → 対策:記事の末尾に「木造非住宅に関する無料相談はこちら」「お問い合わせフォーム」への目立つボタンを配置します。
特に「資料請求」は、いますぐの建築予定はないが興味はある、という潜在的な見込み客の連絡先(リード)を獲得する上で非常に有効です。
「木造非住宅のメリット・デメリット解説資料」「用途別 施工事例集」など、ターゲットが「欲しい」と思う資料を用意し、ダウンロードと引き換えに会社名や連絡先を入力してもらう仕組みは、将来の案件に繋がる重要な仕掛けとなります。

スマホ対応は必須!出先でも見やすいサイトの重要性
今や、ウェブサイトへのアクセスの半分以上は、パソコンではなくスマートフォンからです。
これはBtoB(企業間取引)である建設業界においても例外ではありません。
非住宅建築の発注者(経営者)が移動中に情報を探すかもしれません。
設計事務所の担当者が、現場の合間や打ち合わせ先で、施工会社の実績をスマホで確認するかもしれません。
その時、貴社のサイトがスマホに対応しておらず、パソコン用の小さな文字やレイアウトがそのまま表示されたらどうでしょうか?
訪問者は「見づらい」と感じ、すぐにページを閉じて、スマホ対応されている競合他社のサイトに移ってしまうでしょう。
「レスポンシブデザイン」と呼ばれる、どの端末(PC、スマホ、タブレット)で見ても自動的に最適化されて表示されるサイト設計は、現代のSEO対策において「必須条件」です。
また、Googleの検索エンジンも、スマホで見やすいサイトを高く評価(モバイルフレンドリー)し、検索順位を決定する重要な要因の一つとしています。
自社のサイトがスマホでどう見えるか、文字は読みやすいか、ボタンは押しやすいか。
今一度、ご自身のスマートフォンで確認してみてください。
使いにくいと感じたら、早急な改善が必要です。

サイトの信頼性を高める「会社概要」と「実務者(設計・施工)紹介」
木造非住宅という、専門性が高く、かつ取引金額も大きくなる建築分野において、発注者が最も重視することの一つが「信頼性」です。
「この会社は本当に大丈夫か?」「しっかりした技術者がいるのか?」という不安を払拭しなければ、問い合わせには繋がりません。
SEO対策においても、この「信頼性(E-E-A-T:経験・専門性・権威性・信頼)」は、検索順位を決定づける非常に重要な要素とされています。
この信頼性をWebサイトで示すために、以下のページを充実させる必要があります。
- 充実した「会社概要」
- 所在地、連絡先、設立年、資本金、建設業許可番号、所属団体(地域の建設業協会など)といった基本情報は、正確かつ明瞭に記載します。これらが曖昧だと、訪問者は不安を感じます。
- 顔の見える「実務者紹介」
- 「誰が」設計・施工を担当するのか。これが伝わると安心感は格段に高まります。
- 代表者の挨拶や理念はもちろん、実際に現場を管理する施工管理者や、設計担当者の顔写真、経歴(資格:一級建築士、施工管理技士など)、仕事への想いなどを掲載しましょう。「木構造に強い実務者がいる」という事実は、何よりの強みのアピールになります。
専門的なブログ記事や素晴らしい施工実績も、それを提供している「会社」と「人」が信頼できなければ意味がありません。
サイトの土台となる信頼性の構築を、決して疎かにしないでください。

SEO対策を成功させ、持続的な集客を実現する次のステップ

SEO対策は、一度サイトを作ったり記事を書いたりして「終わり」ではありません。
むしろ、公開してからが「始まり」です。
市場のニーズや競合の状況は常に変化します。
自社サイトがどれだけ見られているのか、どんなキーワードで検索されているのかを定期的にチェックし、改善を続けていくことが、持続的な集客を実現する鍵となります。
本章では、SEO対策を軌道に乗せるための次のステップと、自社だけでは対応が難しい専門分野を補完する考え方について解説します。
成果を測る「無料分析ツール」の簡単な見方と改善のヒント
Webサイトを公開したら、必ず導入すべき無料ツールが2つあります。
Googleが提供する「Googleアナリティクス」と「Googleサーチコンソール」です。
これらは、自社サイトの「健康診断」と「成績表」のようなものです。
専門的な分析は難しくても、まずは以下の点だけチェックする習慣をつけましょう。
- Googleアナリティクス(サイト訪問者の動きが分かる)
- 「どのページがよく読まれているか?」:施工実績AとブログBなら、どちらのアクセスが多いか。アクセスが多いページのテーマ(例:木造倉庫)は、ユーザーの関心が高い証拠です。そのテーマを深掘りする新しい記事を作成する、などの改善に繋げられます。
- 「訪問者はどのくらい滞在しているか?」:滞在時間が極端に短いページは、内容が訪問者の期待とズレているか、見づらい可能性があります。
- Googleサーチコンソール(検索エンジンとの関係が分かる)
- 「どんなキーワードで検索されて、表示・クリックされたか?」:これが非常に重要です。自社が狙ったキーワード(例:「木造倉庫 神奈川」)で表示されているか、あるいは意図しないキーワード(例:「木造 減価償却」)で流入していないかを確認できます。
これらのデータに基づき、「関心が高いテーマの記事を増やす」「クリックされているが順位が低い記事を修正(リライト)する」といった小さな改善を繰り返すことが、SEO対策を成功させる近道です。

専門知識(木構造・申請実務)を外部パートナーと補完する考え方
木造非住宅の分野では、木構造の複雑な構造設計や、防耐火、特殊な建築確認申請など、非常に高度な専門知識(実務)が要求されます。
「自社には木構造の専門家がいないから、非住宅は難しい…」と諦める必要はありません。
また、SEO対策のためのコンテンツ制作においても、「構造や申請に関する専門的な記事は書けない」と悩む必要もありません。
重要なのは、「自社ですべてを抱え込まない」という考え方です。
自社にない専門知識は、信頼できる外部のパートナー(構造設計事務所、コンサルタント、申請代行業者など)と連携して補完すればよいのです。
そして、その「ネットワーク力」こそを、ウェブサイトでアピールしましょう。
「当社は、中大規模木造の構造設計に強い〇〇設計事務所とパートナーシップを結んでいます」
「複雑な防耐火申請の実績も、専門家とチームを組んで対応可能です」
と発信するのです。
発注者から見れば、工務店がすべてを自社で完結できることよりも、「この会社に頼めば、適切な専門家チームを組んでプロジェクトを成功させてくれる」という「プロジェクトマネジメント能力」や「信頼できるネットワーク」の方が、むしろ安心材料になります。
自社の強みとパートナーの強みを組み合わせて発信しましょう。

「モクプロ」が提供する広報支援とコミュニティの活用法
ここまで木造非住宅の集客におけるSEO対策について解説してきましたが、「重要性は理解できたが、やはり自社だけで継続的にコンテンツを発信し続けるのはリソース的に難しい」と感じられた工務店・建設会社様も多いかもしれません。
広報担当者がいない、日々の実務に追われて記事を書く時間がない、Webの専門知識に不安がある——。
そうした「実務者の不安」に寄り添い、挑戦を成功へと導くために存在するのが、私たちハウス・ベースが運営する「モクプロ」というプラットフォームです。
「モクプロ」は、単なる情報サイトではありません。
木造化・木質化に関わる皆様の「プロフェッショナルのパートナー」として、3つの価値を提供しています。
- ナレッジ(専門知識):SEO対策を含む、実務に役立つ体系的な知識を提供します。
- プロジェクト(実績紹介):優れた木造化・木質化事例を、単なる紹介ではなく、専門家の知見を交えて深く解説し、建築実務者の参考情報として伝えます。
- コミュニティ(繋がり):勉強会やイベントを通じて、同じ志を持つ設計事務所やメーカー、工務店と繋がり、知見やノウハウを交換できます。
もし、自社でのSEO対策やコンテンツ制作(広報支援)にお悩みであれば、ぜひハウス・ベースの「広報支援」の活用をご検討ください。
貴社の素晴らしい技術や実務ノウハウを、私たちが「伝わる形」にして発信するお手伝いをします。
自社の力と、モクプロのような外部プラットフォームの力をうまく組み合わせることが、集客成功への確実な道となります。

まとめ

今回は、「工務店・建設会社が木造非住宅の集客に必須なSEO対策」について、その重要性から具体的な実践方法までを徹底解説しました。
木造非住宅市場が拡大する今、従来型の営業手法に加えて、Webを活用した「見つけてもらう」ための仕組みづくりが不可欠です。
SEO対策は、広告のような「消費」ではなく、良質なコンテンツ(ナレッジやプロジェクト事例)を発信し続けることで、自社のウェブサイトを「集客し続ける資産」へと育てる活動です。
難しく考える必要はありません。
まずは、貴社が持つ「強み」(得意な用途、技術力、地域の信頼など)と、「ターゲット」(施主、設計事務所など)を明確にすることから始めましょう。
そして、ターゲットが知りたい情報、つまり彼らが抱える「課題」や「不安」に応える答えを、貴社が日々の実務で培った「専門知識」や「施工実績」をもって、誠実に発信していくこと。
これこそが、木造非住宅におけるSEO対策の王道です。
施工実績は単なる写真集ではなく、「課題解決のストーリー」として語り、会社概要や実務者紹介で「信頼性」を高めることも忘れてはいけません。
もちろん、SEO対策は一朝一夕に成果が出るものではなく、継続的な改善が必要です。
自社だけですべてを行うのが難しい場合は、構造設計事務所などの専門パートナーとの「連携力」をアピールしたり、ハウス・ベースの「広報支援」を活用したりすることも有効な手段です。
「モクプロ」は、木造非住宅という新たな分野に挑戦する実務者の皆様の不安に寄り添い、その挑戦が成功へと繋がるよう、ナレッジの提供とコミュニティの力で支援するプラットフォームです。
この記事が、貴社のWeb集客の第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

ハウス・ベース株式会社の木造化・木質化支援
非住宅用途の建築物で、木造化・木質化の更なる普及が期待されています。
諸問題を解決して、木造化・木質化を実現するには、「木が得意な実務者メンバー」による仕事が必要不可欠です。
木造非住宅ソリューションズでは、発注者の課題に対して、最適な支援をご提案します。
ハウス・ベース株式会社は、建築分野の木造化・木質化を支援するサービスである「木造非住宅ソリューションズ」を展開しています。
「木造非住宅ソリューションズ」とは、脱炭素社会実現に向けて、建築物の木造化・木質化に関する課題解決に貢献するための業務支援チームです。
◾️テーマ:「(木造化+木質化)✖️α」→木造化・木質化を追求し、更なる付加価値を創出
◾️活動の主旨:木に不慣れな人・会社を、木が得意な人・会社が支援する仕組みの構築
【主なサービス内容】
◾️広報支援:コンテンツマーケティング、WEBサイト制作、コンテンツ制作等

◾️設計支援 :設計者紹介、計画・設計サポート、設計・申請補助等

◾️実務支援 :木構造支援、施工者紹介、講師等

木造化・木質化で専門家の知見が必要な場合は、ぜひハウス・ベース株式会社までお気軽にお問合せください。








